カキの「生食用」表示、見直しを検討 若宮消費者担当相「私もたまにあたることある」 ノロウイルスの扱いに課題も

 若宮健嗣消費者・食品安全担当相は19日の衆院消費者問題特別委員会で、カキに使われる店頭販売表示「生食用」について、使い方などの見直しを検討する考えを示した。一般的に「あたる」と表現される、食中毒症状を招くノロウイルスの扱いに課題があることなどが理由。日本維新の会の浅川義治氏(比例南関東)へ答弁した。

 厚労省担当者の答弁などによると、「生食用」などの表示は食品衛生法に基づく加工や検査を経て、食品表示法を根拠に用いられている。カキについての「生食用」「加熱用」の表示は育った海域が判断基準。保健所の定期水質検査で厳しい基準をクリアした海域が「生食用」の出荷を認められるという。

 一方、ノロウイルスは河川など水中に存在しカキをはじめとして二枚貝に蓄積されやすい。同ウイルスの扱いについては衛生、表示両法に定めがないのが現状で、今の治験技術では繁殖度合いなどの詳細把握も難しいという。

 「最近もカキにあたった」とする浅川氏は、この日の質疑でノロウイルスを巡る現実や「生食用」表示の課題を列挙。「家で手軽に食べられる『生食用』は魅力だが、表示には慎重であるべきだ」と提案した。

 「私もカキは大好きでたまにあたることもある」と応じた若宮担当相は、「ノロウイルスの治験を蓄積するなどして表示の仕方などの見直しを検討したい。厚労省と連携して取り組む」と答弁した。

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