被爆2世の鈴田さん、初めて語り継ぐ 長崎「家族・交流証言者」定期講話

築城さん(左)の被爆体験を証言する鈴田さん=長崎市、長崎原爆資料館

 被爆体験を語り継ぐ「家族・交流証言者」の定期講話が14日、長崎市平野町の長崎原爆資料館であり、被爆2世で同市西町の鈴田健二さん(64)が「証言者」として初めて講話した。
 家族・交流証言者事業は高齢化する被爆者の代わりに体験を継承しようと市が主催。現在、県内外の48人が「証言者」として認定を受け、被爆者延べ52人の体験を引き継いでいる。
 鈴田さんは定年退職後、地元長崎に戻り同事業の交流会に参加。「大変な経験があったのに誰も恨まない強さ」に引かれ、爆心地から1.8キロで被爆した長崎市の築城昭平さん(95)の証言者になることを決意した。
 鈴田さんは講話で、原爆症に苦しみながらも被爆体験を語り続ける築城さんの半生を写真も交え紹介。「築城さんの体験と平和への思いを世界へ伝えていきたい」と決意を述べた。会場に足を運んだ築城さんは「体験や思い、放射能の恐ろしさをこれからずっと話してもらいたい」と期待した。
 同市上小島5丁目の室井栄子さん(72)も講話。30年来の友人である長崎市の田中幸子さん(86)とその家族の被爆体験を伝えた。


© 株式会社長崎新聞社