佐々木朗希を米メディア“徹底解剖” 数年後の予習「世界一の投手になる可能性」

ロッテ・佐々木朗希【写真:福谷佑介】

米ヤフーが球歴や投球内容、持ち球、MLB移籍の可能性などを紹介している

完全試合の快挙を達成した次の登板で8回パーフェクト投球。2022年の日本球界を席巻するロッテ・佐々木朗希投手の名前が、米国でもとどろき始めている。米ヤフースポーツは「ロウキ・ササキとはいったい何者? 2試合連続完全試合を達成するところだった20歳を“徹底解剖”」とのタイトルで特集記事を掲載した。

4月10日のオリックス戦で13者連続を含む19三振を奪い、NPBでは28年ぶりの完全試合を達成。続く17日の日本ハム戦でも14奪三振で8回パーフェクト投球を演じた。圧倒的な投球を続ける佐々木朗に、米メディアも興味津々だ。米ヤフースポーツはこの2試合の投球内容を紹介。「大学3年生の年齢であるササキが、100マイル(約161キロ)超の速球と強烈なスプリッター(フォーク)を駆使し、世界第2のリーグ(NPB)で人々の度肝を抜いている」と評し、「歴史的なパフォーマンスを重ねているこの日本のライジングスターについて学んでいこう」と“徹底解剖”している。

記事はまず、これまでの野球歴について言及。岩手・大船渡高時代から「人々を魅了し続けてきた」とし、2011年の東日本大震災で被災したこと、大船渡高3年夏の岩手大会決勝戦に出場せず大きな話題を呼んだこと、2019年ドラフト1位でロッテに入団したことや今季のパフォーマンスなどを紹介している。

そして、完全試合を達成した10日の投球は「現代プロ野球でおそらく最高の投球だったと言えるだろう」と評価する。セイバーメトリクスの先駆けと言われるビル・ジェームズ氏が作った投手指標「ゲームスコア」によると、佐々木朗の完全試合のスコアは「106」。MLB史上最高のゲームスコアは1998年にケリー・ウッド(当時カブス)が20奪三振で完封した試合の「105」、2015年にマックス・シャーザー(当時ナショナルズ)が17奪三振でノーヒットノーランを達成した試合の「104」がそれに続く。佐々木朗の投球内容は“MLB超え”を果たしていたことになる。

直球の平均球速は昨年のデグロム以外の全先発投手を上回るという

MLBではこれまでに完全試合が23度達成されているが、14奪三振が最多。連続三振はトム・シーバー(1970年、当時メッツ)、アーロン・ノラ(2021年、フィリーズ)、コービン・バーンズ(2021年、ブルワーズ)の10者連続が最多で、佐々木朗はこれらの数字でもMLBの記録を上回った。

さらに記事は「現在17イニング連続でパーフェクトを続け、(3日西武戦の8回2死から)52打者連続でアウトにしている」と説明。MLBの最高記録はヤスメイロ・ペティットがジャイアンツ時代の2014年にマークした46打者連続アウトだが、リリーフでの記録のため「ササキの記録ほど華やかでない」と指摘する。

次に佐々木朗の武器である速球とフォークを分析。今季自己最速の164キロをマークしている速球の平均球速は「98.9マイル(約159キロ)」で、2021年のジェイコブ・デグロム(メッツ)を除くメジャーの全先発投手を上回っているという。

フォークについてはエンゼルス大谷翔平投手と比較。佐々木朗は平均91マイル(約146キロ)、大谷は同約88マイル(約142キロ)で、あるMLB球団のスカウトの「彼は世界一の投手になる可能性がある。スプリッター(=フォーク)はショウヘイ・オオタニのものと同じぐらい優れている」というコメントを紹介している。

最後に佐々木朗がMLBに移籍する可能性について「まだ先になりそうだ」と見通しを示す。もし本人がMLBでプレーしたいと思っても、国際FAで海外の選手を獲得する場合の契約金制限の適用年齢が25歳未満であることなどから複雑な選択を強いられると指摘。ただ今後、国際ドラフトの導入などルール変更がなされればMLB移籍に影響があるかもしれないとも解説している。(Full-Count編集部)

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