PRODRONE、消防研究センターの災害時を想定した夜間測量検証試験を実施

株式会社PRODRONE(以下、PRODRONE)は、2022年2月18日、中日本航空株式会社(以下、中日本航空)と共に、愛知県豊田市にある藤岡ヘリポートの敷地内で、消防庁消防大学校 消防研究センター(以下、消防研究センター)の災害時を想定した夜間測量検証フライト(以下、同検証)を実施した。

同検証は、日中・夜間にUAVレーザ測量を行い、UAVレーザより得られる点群データの精度検証を目的に実施された。飛行高度、飛行速度、地形などの条件を変更しながらデータを取得し、中日本航空のノウハウを活かした現場解析ソフトにより、計測終了後、20分程度で点群データ及び地形図を作成した。

今回使用した機体PD6B-Type3
日中・夜間測量中のGCS※1画面
日中測量データ(消防研究センター提供)
夜間測量データ(消防研究センター提供)

※1)GCS(Ground Control Station)は、機体の飛行経路や運行管理など地上で確認できるデバイス

※2)DSM(Digital Surface Model)は、数値標高モデル、またはデジタル地表モデルと呼ばれ、地盤(地形)と、その上にある建物や樹木などの地物を合わせた表層面を数値標高モデル化したもの

※3)SDEM(Substratum Digital Elevation Model)は、中日本航空の独自技術により植生下の地表面を鮮明化したモデル

消防研究センターの技術研究部地震等災害研究室、主任研究官の土志田博士は、同検証について以下のようにコメントしている。

検証時には色々なトラブルが発生しましたが、最終的には非常に良いデータが取れました。夜間飛行で取得されたデータは想定通りで、夜間でもこの精度のデータが取れるということを実証できたことは、素晴らしい成果です。

土砂災害現場での救助活動において、活動が困難となる夜間時にデータを取得することで、迅速性・安全性を高めることができます。同検証をもとに、現場で必要となる運用のしやすさや、解析処理の高速度化などを今後目指していきます。

また、PRODRONEの機体を選定した理由としては大きく2つあります。1つは、大型の3Dスキャナを搭載する必要があることから、十分なペイロードが確保できる機体を必要としていました。もう1つは、無人航空機に関するセキュリティ上のリスク

(政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針について[令和2年9月14日・関係省庁申合せ]参照)

に対し、高いセキュリティが設定されていることでした。

ドローンを消防で利活用するためには、運用のしやすさは重要なポイントです。今後 PRODRONEには、自動航行のセッティングなどがより簡単になることや、消防での運用(不定期運用)に即した、運用アドバイスなどのサービス拡充を期待しています

PRODRONEは、災害、点検、物流分野に注力して機体開発を進め、今後も現場の声を反映しながら災害時に役立つ機体開発を積極的に行うとしている。

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