「グラブ磨きは手洗いと同じ」専門家が解説するクリーナーとオイルの使い分け

クリーナーとオイルの使い分けを専門家が解説する

年間600個以上を型付け、アサヒスポーツ店長が実演するグラブ磨き

どのくらいの頻度で磨くのか? クリーナーとオイルの違いは? グラブを手入れする必要性を感じていても、適切なやり方が分からない少年野球の子どもたちや保護者は少なくない。年間600個以上もグラブの型付けをしてきた野球用品専門店の店長が磨き方を実演。グラブ磨きは「手洗いと同じ」と強調する。

【動画】どれぐらいの強さで磨けばいい? “グラブ職人”が実演するお手入れの方法

グラブの状態が良ければ、パフォーマンスは上がる。だからこそ、プロ野球選手はグラブの手入れに時間をかける。横浜市にある野球用品専門店「アサヒスポーツ」の平賀誠店長が、グラブの最大の敵に挙げるのは「汚れ」。手に例えて、こう説明する。

「手が汚れたら、そのままにはしておかないですよね? グラブも同じです」

グラブは、残った汚れが革の繊維に入り込むと劣化が進む。練習や試合が終わったら、まずは豚毛など硬めのブラシで砂を落とす。それでも、汚れが残っていればクリーナーを使う。この時、オイルを使用するのは間違いだと平賀店長は指摘する。クリーナーとオイルは用途が違うためだ。

手を例にすると、クリーナーは石鹸、オイルはハンドクリームの役割があるという。手が汚れた時にハンドクリームを使わないのと同じように、グラブの汚れはクリーナーで落とす。オイルは革が乾燥した時に塗る。2つを使用する順番を間違えると、汚れが落ちにくくなる。

野球用品専門店「アサヒスポーツ」【写真:間淳】

雨で泥だらけになった場合は水拭きするのも手

オイルは保革してツヤを出す効果があるが、塗り方には注意が必要。塗りすぎるとグラブが重くなったり、柔らかくなりすぎたりする。グラブの使用頻度にもよるが、平賀店長は月に1~2回、薄く塗れば十分と話す。

クリーナーやオイルを塗った後はタオルで乾拭きする。余分なクリーナーやオイルを落とすための重要な手順だ。その後、通気性のいい場所で陰干しすると良い状態を維持できる。

雨の中で使って泥だらけになってしまった場合、平賀店長は強く絞ったタオルでの水拭きを勧めている。グラブが濡れる前と同じ重さになるまでしっかり乾燥させてから、オイルで保革する。

オイルを塗るとグラブにツヤが出て手入れをした気になるが、塗りすぎると逆効果になる。クリーナーとオイルの2つを正しく使用すれば、グラブはパフォーマンスを最大限に発揮できる良き相棒となる。(鉾久真大 / Masahiro Muku)

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