コーラにからあげクン、カップヌードルも…止まらない値上げラッシュ、家計への影響は?5月以降に値上げされる商品まとめ

食品メーカーを中心に、各社からの値上げ発表が続いています。背景には世界的な原油価格の高止まりによる原材料費、製造費、物流費の高騰があります。

日本銀行が2022年4月7日に発表した、「生活意識に関するアンケート調査」(第89回<2022年3月調査>)によると、1年前と比べて現在の物価について質問したところ、「かなり上がった」「少し上がった」と回答した人が8割を超え、半年前の同調査より2割近く増えていました。続く値上げラッシュが家庭へ影響していることが伺えます。

以前、4月以降に値上げされる商品を紹介しましたが、改めて5月以降に値上がりする商品をまとめました。家計への影響を抑えるためにも、値上がりする商品を把握するのにお役立てください。


「からあげクン」が発売以来初となる価格改定

コンビニエンスストア・ローソンで販売されているホットスナック「からあげクン」が、1986年4月に発売以来36年間維持してきた税抜200円(税込価格は216円)から値上がりすることを発表しました。5月31日(火)より10%増となる税込238円に改定となります。

「からあげクン」は、定番の「レギュラー」「レッド」「北海道チーズ」「レモン味」のほか、ご当地メニューをアレンジした地域限定やアニメとのコラボなど、300種類を超えるフレーバーを展開してきたローソンの看板商品で、累計販売数が37億食を突破しています。品質向上のため2014年には原料の鶏むね肉を「国産若鶏むね肉100%」に、2018年には唐揚げ粉に使用している小麦粉を「国産小麦粉100%」に変更しており、原材料価格の高騰や包材・輸送コストなどの上昇を受け、今回の価格改定に踏み切ったようです。

このほか、「フライドフーズ」「まちかど厨房」「日配食品」の一部商品においても、税込価格でおよそ6%程度の価格改定を行う予定とのことです。

株式会社ローソン

「からあげクン」は今年で発売36年 5月31日(火)より、発売以来初となる価格改定

「コカ・コーラ」含む16商品が価格改定

コカ・コーラ ボトラーズジャパンは、量販店とオンラインチャネルで5月1日出荷分より、一部を除く大型PETボトル商品の出荷価格改定を実施することを発表しました。

対象となるのは、「コカ・コーラ」や「ファンタ 」のほか、「アクエリアス」や「綾鷹」など、全部で16商品になります。改定率は商品によって異なりますが、 およそ5~8%の増加となります。

世界的な原材料価格の高騰傾向が今後も続くことを想定して改定にいたったようです。

コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社

大型PETボトル製品 価格改定のお知らせ

小麦高騰の影響が「カップヌードル」「チャルメラ」にも

日清食品は6月1日(水)の出荷分から、即席袋麺、即席カップ麺、即席カップライス、即席カップスープの価格を改定することを発表しました。対象となるのは「カップヌードル」シリーズや「日清のどん兵衛」シリーズ、「チキンラーメン」シリーズや「出前一丁」シリーズなどで、改定率は希望小売価格のおよそ5~12%増加となります。

また、明星食品も6月1日(水)出荷分から、即席袋めん、即席カップめん、即席カップスープの価格改定を発表しました。対象となるのは、「チャルメラ」シリーズや「一平ちゃん」シリーズ、「麺神」シリーズや「ロカボNOODLES」シリーズで、改定率は希望小売価格のおよそ6~12%増加となります。

麺の主要な原材料である小麦の価格が大幅に高騰しているほか、包材をはじめとする資材価格やエネルギー費、さらには物流費も上昇が続いていることが要因のようです。

日清食品株式会社

価格改定のお知らせ ~2022年6月1日(水)出荷分から~

明星食品株式会社

価格改定のお知らせ ~2022年6月1日(水) 出荷分から~

トマト調味料や食酢、お茶漬けも値上げ

キッコーマン食品およびキッコーマン飲料は、5月1日納品分よりデルモンテブランドのトマト調味料や飲料、おろしシリーズ、キッコーマンブランドのソースの価格を改定すると発表しました。原材料価格や物流費等の上昇を受けてのことで、改定率は希望小売価格のおよそ3~10%増加となります。

また、Mizkanも製造コストなどの高騰を受け、一部食酢関連商品の価格改定を発表しました。家庭用で対象となるのは、穀物酢やリンゴ酢、すし酢やカンタン酢などで、6月1日(水)出荷分から改定率は希望小売価格のおよそ3~10%増加となります。

永谷園もお茶づけやふりかけ、即席みそ汁やホットケーキミックス商品の価格改定を発表。改定は6月1日付納品分からで、改定率は希望小売価格のおよそ5~9%増加となります。

キッコーマン食品株式会社、キッコーマン飲料株式会社

デルモンテ トマト調味料・飲料等の価格改定について

株式会社Mizkan

食酢関連商品価格改定のお知らせ

株式会社永谷園

商品価格改定に関するお知らせ

カルビー、明治は内容量も変更

カルビーは一部の原材料価格の大幅上昇を受け、一部のスナック商品の内容量変更および価格改定を発表しました。「かっぱえびせん」の26g入りや「サッポロポテト つぶつぶベジタブル/バーベ Q あじ」の24g入りなどが、6月1日発売分からオープン価格のおよそ10%増加となります。また、6月6日発売分から「かっぱえびせん 」の85g入りは77gとなり、「サッポロポテト つぶつぶベジタブル/バーベ Q あじ」の80g入りは72gと減量になります。

明治も海外乳原料、糖類、油脂といった原材料価格の上昇などにより、栄養食品、プロテイン飲料・飲料、スポーツ栄養(粉末プロテイン)、市販用アイスクリーム、市販用冷凍食品の価格改定及び内容量の変更を発表しました。5月1日(日)出荷分より「メイバランス Mini カップ ミルクテイスト/ヨーグルトテイスト」シリーズが税込230円から245円に、6月1日(水)出荷分より「エッセル スーパーカップ」シリーズが税込140円から150円に値上げします。また、プロテイン「ザバス」の粉末は、値段は変わらず内容量が3~12.7%の減量となります。

カルビー株式会社

内容量変更および価格改定に関するお知らせ

株式会社 明治

価格改定及び内容量変更のお知らせ

続く値上げ、できる対策は?

輸入小麦の政府売渡価格の引き上げや続く円安ドル高水準などを受け、さらに値上がりは続く可能性があります。これらの値上がりは、一時的なものではありません。「値上がりしているから仕方がない」と放置していると、支出は増える一方です。

まずは現在の家計状況を把握し、昨年の同時期との比較や、値上げ後どうなるかシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。必要・不必要な出費の判断や、代替え品の検討で節約を検討したり、固定費を見直して抜本的な改善をはかるなど、家計への影響を抑えられるよう、できる備えをしておきましょう。

※本稿は、執筆した2022年4月22日(木)時点の情報を元に作成しています。公開後に変更される場合がありますので、最新情報は各社の公式サイトなどでご確認ください。

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