不漁時や禁漁期間でも、湘南の生しらすを消費者に届けようと、平塚茅ケ崎魚市場(神奈川県平塚市千石河岸)が今年1月から始めた冷凍生しらすの通信販売が好評だ。液体急速凍結機で凍らせた商品で、水揚げ後とほぼ変わらない鮮度を保てるのが特長。同市場執行役員、加工食品部の中村良部長(40)は、通年販売も視野に「安定した提供で湘南しらすをもっと広めたい」と意気込んでいる。
同市場は昨年11月、中村部長の発案で冷凍機製造企業「テクニカン」(横浜市都筑区)の液体急速凍結機を購入した。1パック(約100グラム)の生しらすの場合、零下30度の設定なら数十秒で凍らせることが可能となり、解凍すれば水揚げ時と同様の透明色に戻る。
中村部長らは「漁師も『見た目や味は変わらない』と言っている」と評価。冷凍生しらすは家庭用冷蔵庫なら1カ月間、業者の冷凍庫なら1年間の長期保存が可能となるのも魅力だ。