平和の礎に刻まれた戦没者24万人、名前読み上げ追悼 6月中旬にオンラインで集い 遺族らが企画

 「平和の礎」に刻まれる、沖縄戦などで亡くなった24万人余りの名前を読み上げる集いが、6月中旬から23日までオンラインで開かれる。主催する「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる実行委員会」が読み上げる参加者やサポーター、会場などを募っている。25日、遺族ら実行委員が記者発表した。

 平和の礎は太平洋戦争・沖縄戦終結50年の1995年に県が建立した。国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなった24万1632人の名前を刻む。

 南洋戦国賠訴訟の原告団を支援してきた岩城美智子さん=愛知県=が昨年、シベリア抑留で亡くなった人々の名前を46時間半かけて読み上げるイベントに参加したことから、今回の集いを提案した。

 実行委員の一人で、太平洋戦争下のサイパンで家族を亡くした横田チヨ子さん(93)は、父親ら家族3人の名前を読み上げ声を詰まらせた。

 集いは6月11日か12日から23日まで、毎日午前5時~翌午前3時までの予定。30分ごとに交代して読み上げ、延べ500人程度を想定する。

 会場は名桜大学と宜野湾市のカフェ「ZumZum(ズムズム)」、平和の礎などで予定。会場も募集中で随時追加する。

 岩城さんは「コロナ禍で追悼式への参加が難しいが、沖縄と全国、海外をつないで一緒に追悼したい」と話した。問い合わせは岩城さん(電話)080(5779)1634。メールはishiji@notnet.jpまで。

 (中村万里子)

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