知的障害者のプロ和太鼓グループ「瑞宝太鼓」 5月1日、島原で公演

島原公演に向け練習に熱が入る瑞宝太鼓の団員=雲仙市瑞穂町

 長崎県雲仙市瑞穂町を拠点に活動する知的障害者のプロ和太鼓グループ、瑞宝太鼓(15人)が5月1日、島原市城内1丁目の島原文化会館大ホールで「島原公演 こころから感謝」を開く。新型コロナ禍で約2年間、大舞台で演奏できなかったため、団員たちは「2年分の感謝の思いを込めて力の限り太鼓をたたく」と張り切っている。
 瑞宝太鼓は社会福祉法人南高愛隣会(諫早市)の事業所の一つで、2001年に結成。国内年約100公演に加え、米国やフランスなどでも披露してきた。
 20年に新型コロナが拡大し、同年3月の長崎公演が延期。その後も演奏できずに収入を断たれたため、団員は諫早市や雲仙市の農場やリサイクル会社で働いたり、弁当配達をしたりして収入を確保していた。

リサイクル会社で作業する瑞宝太鼓の団員=諫早市飯盛町

 人前で太鼓を響かせることができるのは、毎月末に同市瑞穂町の稽古場で開く投げ銭形式の自主ライブや、島原半島内の小さなイベントだけ。今年に入り、ようやく県外遠征が少しずつできるようになってきた。
 島原公演では、東京パラリンピックの20年開催が延期となり、開会式での演奏ができずにお蔵入りになった新曲「“WA” The Nippon(わ・ざ・にっぽん)」など約10曲を演奏する。
 団員たちの演奏は、各演目の細部の調整を重ねるなど仕上げの段階。岩本友広団長(45)は「農作業で太鼓をたたく体力づくりができた」と、より力強くなったばちさばきをアピール。昨年8月に亡くなった南高愛隣会の前理事長、田島良昭さんにも触れ「田島さんに教わった『希望、努力、感謝』の気持ちを持って、天国の田島さんに届くように力いっぱい演奏したい」と意気込んでいる。


© 株式会社長崎新聞社