焼香台で肉焼いた跡 原爆死没者祈念堂 長崎

供花などが焦げているのが見つかった「長崎市原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂」の祭壇近くを確認する警察官や市関係者=28日午前10時24分、長崎市

 28日午前8時ごろ、長崎市の平和公園内にある「市原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂」(岡町)で祭壇の供花などが焼けたり、焼香台の上で肉を焼いたりした跡が見つかり、市が警察に通報。浦上署が不審火とみて調べている。
 祈念堂は平和祈念像近くにあり、引き取り手がない原爆犠牲者の遺骨8964柱を安置している。市は25日以降、弁当容器などのごみやキャリーバッグなどが放置されているのを確認。張り紙をして撤去を求め、警戒していた。
 市によると、焼香台の上に焼けた肉が置かれ、周辺にごみが散乱。供えられた花やペットボトル飲料などにも燃えた跡があった。焼香台には線香やろうそく、ライターが置かれているという。市は同署への被害届提出も検討している。市原爆被爆対策部調査課の阿波村功一課長は「犠牲者や平和への冒瀆(ぼうとく)で、非常に遺憾」と話した。

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