長崎県内、3年ぶり観光地にぎわう コロナ禍で3度目のGW

初日から多くの焼き物ファンでにぎわった波佐見陶器まつり=東彼波佐見町

 新型コロナウイルス禍で3度目のゴールデンウイーク(GW)が29日、始まった。今年は3年ぶりに外出規制がなく、長崎県内の観光地にはにぎわいが戻ってきた。施設や料理店は感染防止対策を徹底し、観光客らが安心して過ごせるようもてなしている。
 3年ぶりの開催となった県内最大の陶磁器イベント「波佐見陶器まつり」には、県内外のファンが大勢訪れた。メイン会場の東彼波佐見町のやきもの公園には約150の窯元や商社が出店。福岡市の会社員、藤本貴美子さん(41)は「気に入っていた波佐見焼を割ってしまい、初めて波佐見に来た。目移りしてしまう」と満足そうだった。
 佐世保市のハウステンボス(HTB)は入場時の手指消毒など感染対策を徹底し通常営業。GW恒例のマーチングバンドフェスタを3年ぶりに復活させた。家族と訪れた山口県の会社員、川崎哲央さん(49)は「コロナで我慢をした分、満喫したい。子どもも喜んでいる」と話した。
 長崎市のグラバー園もGW期間中の開園は3年ぶり。風雨が強かった午前中は人出はまばらだったが、午後は次第ににぎわい始めた。近くの老舗中華料理店、四海樓は「密を避けるため、座席を半分間引いて営業しており、お客さまをお待たせするのが残念」としている。
 JR長崎駅も観光客や帰省客の姿が目立った。札幌から訪れた60代の夫婦は28日は長崎市内を観光したといい、「平和公園や原爆資料館などを見て回った。ロシアのウクライナ侵攻も起きているので、(戦争や原爆の悲惨さを伝える)展示を見ることが大切と思った」と話した。
 JR九州によると、29日は下りのピーク。午後4時半現在、特急自由席の乗車率は博多発長崎行きが120%~60%、博多発佐世保方面行きが130%~60%で、いずれも昨年同時期を大幅に上回ったという。


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