部活動改革

 〈来年は部活動の顧問を担当できない、と主張したが、校長に聞き入れてもらえなかった〉と訴える先生がいた。〈部活動の指導に魅力を感じて体育教師になった〉と打ち明ける先生もいた▲先生もいろいろだ。本紙スポーツ面の連載「変わる部活」を興味深く読んだ。公立中学校の運動部活動を巡って、休日の指導を地域や民間の団体に委ねる「地域移行」を進める-とするスポーツ庁有識者会議の提言案が話題を呼んでいる▲少子化の進行で、学校単位の部活動を現状のまま維持するのは難しい、地域の受け皿が整備されれば子どもたちの選択肢が広がる-と提言案は強調するのだが、額面通りに受け取っていいものかどうか▲この問題は教職員の負担軽減や長時間労働解消の文脈でも議論されてきた。もちろん、教育現場の過酷な実態にも、先生のなり手不足にも対策や改善は必要なのだが▲以前、別の話題に関連して〈学校の先生にだけ「情熱」や「熱血」が闇雲(やみくも)に要求される道理はないだろう〉と書いたことがある。その思いは変わらない。だが、一方で「人を育てる」という行為には、それらが不可欠な資質として求められるのではないか-とも思う▲「働き方改革」を否定はしない。ただ、子どもが主役であることも忘れてほしくない。だから難しい。(智)


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