思い出の駄菓子屋 17年ぶり復活 那須塩原の「河内屋」

河内屋の復活に尽力した君島副住職(前列右)、君島雅之さん(後列右)、藤田学さん(同左)。前列左は元店主の君島テルさん

 【那須塩原】1960年代から約40年間、営業した高林の駄菓子店「河内屋(かわちや)」が、地域活性化を目指す住民有志の手で17年ぶりに再開した。地域の祭りの復活を機に、住民らが思い出の店をよみがえらせようと力を合わせた。往年のレトロな雰囲気を残しつつ、大人向けの雑貨や小物を販売するなど新たな趣向も加えた。発起人で高林寺(こうりんじ)の君島真実(きみじままこと)副住職(41)は「子どもから大人まで多様な人が集まれる場所にしたい」と話す。

 再開のきっかけは4年前、地域の伝統だった「高林寺夏祭り」が約60年ぶりに復活したことだった。祭りは若い世代の尽力で盛り上がり、企画した君島副住職は「この雰囲気が年に1日だけなのはもったいない」と感じて仲間と意見を交換。そこで出たアイデアが、かつて高林小の近くにあった河内屋の復活だった。

 河内屋は当初は旅館だったが、65年ごろから駄菓子店となり、同校児童の憩いの場だった。しかし、2005年に閉店。君島副住職が、元店主の君島(きみじま)テルさん(94)の家族に相談したところ、「地域のために役立つなら」と、無償で建物を貸してもらえることになった。

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