<金口木舌>親子で笑い合うために

 親子の交流の第一歩は互いの顔を合わせること。赤ちゃんは両親の表情を見て喜怒哀楽の感情を知り、発語の方法を学び、食事の際の口の動きを覚える。コロナ禍のマスク生活が長引けば、その交流機会も減少する

▼今の中高生は入学時からマスク着用の日々を送る。昼食時間は向かい合うことを避けて、黙食が求められる。同級生の素顔を見たことがない生徒がいるという話も耳にした

▼日本リサーチセンターなどの調査によると「公共の場ではマスクを着用する」と回答した人が日本は9割近く。花粉症対策などでマスク着用に抵抗がないこともあるためか、他国に比べて高い割合だった

▼海外ではマスク着用義務の緩和が進む。一方で県内の新型コロナ感染者は最多を更新し2千人を超えた。大型連休の後はさらなる感染拡大も懸念され、県はマスク着用などを呼び掛ける

▼8日は母の日。家族で集まる人も多いだろう。マスクを必要とせず、親子で声を出して笑い合える日は必ず訪れる。コロナ禍の収束のためにも今は感染防止策を徹底したい。

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