墓継承の困難さ…自己完結、新たな選択肢に 栃木県内樹木葬、需要高まる

全超寺に設けられた樹木葬の霊園=4月下旬、大田原市上石上

 墓石の代わりに樹木を墓標として遺骨を埋葬する「樹木葬」の需要が、栃木県内でも高まっている。少子化や未婚化などの社会変化で、伝統的な墓の継承が難しくなっていることが背景にある。子や孫に維持管理の負担を掛けずに自己完結しようとする意識が強まりつつあり、新たな選択肢としても注目されている。区画増設も相次ぎ、ニーズはさらに高まるとみられている。

 大田原市、会社員女性(39)は昨年、市内の全超寺に造られた「ガーデンヒル大田原」の1区画を購入した。ハナミズキをシンボルに、花々が植えられた庭園調の樹木葬霊園で、幅4メートル、奥行き9メートルの広さに4人まで納骨できる区画などが50ある。1区画55万~143万円だ。

 「母が祖父母の墓に入ることを望まず、私も自分で完結したい。墓の管理や継承、墓じまいの悩みがなく、お寺が永代供養してくれるのも安心」と話す。

全超寺に設けられた樹木葬の霊園=4月下旬、大田原市上石上

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