津久井やまゆり園事件で再審請求 神奈川・黒岩知事「驚きと怒りを禁じ得ない」

黒岩祐治知事(資料写真)

 相模原市緑区の県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人などの罪で死刑判決が確定した植松聖死刑囚(32)側が横浜地裁に再審請求したことに関し、黒岩祐治知事は11日の定例会見で「驚きと怒りを禁じ得ない」と述べた。

 知事は「事件が発生したときのことは今も脳裏に深く焼き付いている。利用者の尊い命や未来、全てを奪い去った事件を絶対に許すことはできない」と語気を強めた。その上で「植松死刑囚が事件を起こしたことは紛れもない事実。判決を受けてしっかり罪を償ってほしい」と言及した。

 請求は4月1日付で、地裁は受理し、再審開始の可否を判断する。知事は「司法の適正な判断が下されると信じている」と述べた。

 確定判決によると、同園元職員の植松死刑囚は2016年7月26日未明、同園に侵入し、入所者19人を殺害、職員2人を含む26人に重軽傷を負わせた。

 事件を受けて、県は障害者への偏見や差別の排除などをうたった「ともに生きる社会かながわ憲章」を制定。「当事者目線」の障害福祉施策への転換を進めている。

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