コロナ最多2702人 沖縄県、感染拡大警報発出へ

 県は11日、10歳未満から90代以上の2702人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。7日の2375人を上回り過去最多を更新した。
 県は12日に新型コロナ対策本部会議を開き、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続く沖縄本島や宮古圏域へ「コロナ感染拡大警報」を出す方向で検討する。
 県の宮里義久感染対策統括監は大型連休の影響で感染拡大が加速し、重症化リスクの高い「高齢者を含めた世代でも感染が増えている」と、強い警戒感を示した。  
 
 15日に開かれる沖縄復帰50周年記念式典(主催・県、日本政府)や平和行進、「5.15平和とくらしを守る県民大会」は11日時点で予定通り開催する方針だ。県は感染状況を踏まえ、式典のオンライン開催など規模縮小の可能性も検討していた。県秘書課は取材に対し「現時点では予定通り開催する」とした。
 感染者の内訳を年代別に見ると10代の531人が最も多く、30代の438人、10歳未満の434人と続いた。  全県の病床使用率(国基準)は53.1%で、重症者用病床に限ると31.7%と上昇傾向が続く。
 
 感染拡大に伴い11日時点で1万1896人が自宅療養している。この影響で、血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターの配布に遅れが出ているという。
 
 高齢者や障がい者施設内で療養している人は211人。内訳は高齢者の78施設で182人、障がい者の6施設で29人。高齢者施設療養者のうち6人は酸素投与を受けている。
 宮里氏は、感染拡大の影響で県立中部病院が一般外来を制限したり、入院の延期を進めたりするなど、本島中南部の病院を中心に救急、一般診療に制限が出ていると切迫している状況を説明。「感染者を増やさないように対応したい」と話した。
 米軍関係は新たに183人の感染が報告された。10日報告分62人の基地別の感染者も報告され、最多はキャンプ・フォスターの17人だった。  
(知念征尚)
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