西九州新幹線 佐賀でも走行試験始まる 嬉野、武雄で「かもめ」に歓声

嬉野温泉方面に戻る新幹線を見送る市民=佐賀県、武雄温泉駅

 9月の西九州新幹線(武雄温泉-長崎)開業に向けた新車両「かもめ」の走行試験が11日、佐賀県内でも始まった。同県内での新幹線の走行は初めて。嬉野温泉、武雄温泉両駅では多くの市民が出迎えた。
 新設の嬉野温泉駅(嬉野市)では、地元住民ら約300人が待ち構えた。真新しい車両が到着すると、児童らが歓声を上げた。村上大祐市長はあいさつで「嬉野市にとって念願の鉄路」と喜び、「駅を拠点に多くの人々がうれしいと思えるまちづくりをしていきたい」と意気込んだ。市立嬉野中の吹奏楽部が歓迎ムードを高め、部長の田中琉那さん(14)は「(初走行の日に)花を添えられてうれしい。いい思い出になった」と充実感をにじませた。
 武雄温泉駅(武雄市)は博多方面とつなぐ在来線特急「リレーかもめ」との乗り換え地点。約400人が詰めかけた歓迎セレモニーで、小松政市長は「開業まであと135日。みんなで盛り上げよう」と呼びかけた。園児たちが新幹線のイラストの前で歌い、盛り上げた。
 新幹線車両からホームに降り立った同市出身の山口耕右・主任運転士(34)は「やっと駅に新幹線を運んで来られた。開業まで待ち遠しい。安心安全に努めたい」とあいさつ。駅を出発する車両を市民らが手を振って見送った。
 走行試験は鉄道建設・運輸施設整備支援機構とJR九州が10日に長崎県内で開始。6月16日まで走行に問題がないかを確認する。


© 株式会社長崎新聞社