伊木力浄水場が落成 安定供給へ川から取水 諫早

完成した伊木力浄水場=諫早市

 長崎県諫早市が多良見町舟津に整備を進めていた伊木力浄水場(敷地面積約9千平方メートル)が完成し、現地で11日、落成式があった。浄水能力は1日6千トン。多良見地域の一般家庭などの水道水として給水を始めた。
 合併前の旧町時代に計画され、2019年度に着工した。市上下水道局によると、これまで市内の水道水源の約8割は地下水だった。これに対し、同浄水場は伊木力川の表流水を新たな水源として活用し、水道水の安定供給につなげる。
 1日当たりの最大取水量は伊木力川が5千トン、地下水が千トン。地下水と比較して濁度など水質的変動が大きい表流水を処理するため、必要な設備を導入し、事業費は29億9500万円。無人施設で、運転状況は中央監視装置が一元管理し、その状況は有人の平山浄水場などで常時監視する。
 落成式には市や工事関係者、地元住民らが出席し、大久保潔重市長が「水道水のさらなる安定供給が図られ、地域活性化、農業や工業の振興につながる」とあいさつ。テープカットで完成を祝った。


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