マンチェスター・シティはアーリン・ホーランの移籍についてドルトムントと原則合意に達した。
ここでは、シティが最も高額な移籍金を支払って獲得したFWたちを取り上げてみる。ロビーニョやリヤド・マフレズのようなウィングは除外して、ストライカータイプに限定した。
10位 ジョー
2008年夏にCSKAモスクワから獲得
移籍金:2400万ユーロ(現レートで33億円)
2018~2020年には名古屋グランパスでもプレーしたブラジル代表FW。
ロシアでブレイクすると、シティが当時のクラブ史上最高額で引き抜いたが、期待されたほどの活躍はできず。
42試合で6ゴールに終わり、3度のレンタルの末に契約切れで退団。その後、飲酒や夜遊びを止めるなど私生活をあらためたことで母国で復活し、30歳にして国内リーグの得点王にもなった。
35歳になった現在はコリンチャンスでプレーしている。
9位 アルバロ・ネグレド
2013年夏にセビージャから獲得
移籍金:2500万ユーロ(現レートで34.3億円)
かつてはレアル・マドリーで期待されていた大型のスペイン人ストライカー。ただ、レアルのトップチームで試合に出場したことはない。
シティでは49試合で23ゴールを決めるも、1年でスペインに帰国することに(ローンでバレンシアに移籍)。ただ、当時のバレンシアはギャリー・ネヴィルを監督に迎えるなど混迷しており、ネグレドは1年でシティを去ったのは間違いだったと後に語っている。
36歳になった現在はカディスに所属しており、今季はスペイン1部で7ゴールを記録している。
8位 ステヴァン・ヨヴェティッチ
2013年夏にフィオレンティーナから獲得
移籍金:2600万ユーロ(現レートで35.7億円)
セリエAで活躍したモンテネグロ代表FW。フィオレンティーナでリーグ屈指の存在に成長すると、シティに引き抜かれた。
怪我に苦しんだイングランドでは44試合で11ゴールに終わり、2シーズンでイタリアに舞い戻っている。
それでも退団する際には「チームメイト、スタッフ、クラブの皆にこの2年間を感謝したい。このチームで一員であれたのは、とても喜ばしいことだった!」との感謝のメッセージを出したほか、マヌエル・ペジェグリーニ監督も「彼はすごくいい選手、見てきたなかでも最高のひとり。だが、あまりに怪我が多く、多くの試合に連続して出られなかった」と悔やんでいた。
32歳になった現在はヘルタに所属している。
7位 エマニュエル・アデバヨール
2009夏年にアーセナルから獲得
移籍金:2900万ユーロ(現レートで40億円)
アーセン・ヴェンゲル監督のアーセナルでブレイクしたトーゴ代表FW。だが、移籍を志願したことでガナーズとの関係が急速に悪化し、喧嘩別れの形でシティへと移籍していった。
シティではアーセナル戦で激しいプレーを見せたうえに、ゴール後にサポーターを挑発するなど大暴れ。
ただ、シティでもレアル・マドリーへのローンから復帰した後の対応をめぐって衝突。結局、45試合で19ゴールに終わっている。
なお、2016年にリヨン移籍が噂された際、「アデバヨールは交渉の際にウイスキーを求め、煙草を咥えていた。更に個人シェフ、ヘリコプター、プール付きの豪邸を求めた」と日本でも報じられたが、これは大嘘。『Football France』という虚構サイトが作ったフェイクニュースだ。
6位 バリオ・バロテッリ
2010年夏にインテルから獲得
移籍金:2950万ユーロ(現レートで40.5億円)
ネタの宝庫といえるサッカー界屈指の悪童。80試合で30ゴールを記録したシティでも、伝説的なエピソードを残した。
アカデミー選手にダーツの矢を投げつけたり、バスルームでの花火で火事を起こしたり、MLSチームとの親善試合では意味不明の舐めプをして交代させられるなどなど…。
その一方、「毎日練習場の外でサインをねだる少年がいじめられていることを知ると少年と母親を車に乗せて学校に直行。いじめていた生徒と握手をさせて車で立ち去る」ということもしている。
後年、本人はシティを退団したのは人生最大のミスだったと語っている。
5位 ガブリエウ・ジェズス
2017年1月にパウメイラスから獲得
移籍金:3200万ユーロ(現レートで44億円)
ブラジルで“NEWネイマール”と期待されていたアタッカー。10代選手としてプレミアリーグ最高額となる移籍金でシティに引き抜かれた。
加入当初はジョゼップ・グアルディオラ監督も驚くほどのゴールラッシュを見せた。最近は本人も本職だと考えているサイドでの起用も増加。
契約が2023年までとなっているほか、ホーランの加入で微妙な立場に置かれるため、アーセナルなどへの移籍が噂されている。
4位 ウィルフリード・ボニー
2015年1月にスウォンジーから獲得
移籍金:3230万ユーロ(現レートで44.3億円)
フィテッセではハーフナー・マイクら日本人選手ともプレーしたコートジボワール代表FW。
上背はそれほどないものの、超絶的な身体能力を誇る怪物ストライカーとして期待されていた。
ただ、大金で加入したシティでは、怪我に苦しまされ、46試合で11ゴールと不発に終わっている。
本人も好調だった際に怪我をしてしまったことでダメになってしまったと述べている。
2020年末にサウジアラビアのクラブを退団した後は1年以上の無所属に。33歳になったこの冬にNECに加入し、エールディビジに復帰。ただ、怪我もあり、40分ほどしかプレーできていない。
3位 エディン・ジェコ
2011年1月にヴォルフスブルクから獲得
移籍金:3700万ユーロ(現レートで50億円)
ドイツでは長谷部誠とともにブンデスリーガ優勝を成し遂げたボスニア・ヘルツェゴビナFW。
10番を背負ったシティでは189試合で72ゴールを記録し、2度のプレミアリーグ優勝に貢献した。ただ、マヌエル・ペジェグリーニ監督のもとで序列が降下したことで退団。
4人のトップストライカーがいた当時のシティで常時プレーできなかったことは不満だったというが、セルヒオ・アグエロとは理解し合えており、いい凸凹コンビだったと語っている。
2位 セルヒオ・アグエロ
2011年にアトレティコ・マドリーから獲得
移籍金:4000万ユーロ(現レートで55億円)
頼れるエースとしてシティを支え続けたレジェンドFW。390試合で260ゴールを決めてクラブ史上最多スコアラーになったほか、シティ史上で最も多くのタイトルを獲得した選手にもなった(15個)。
2011-12シーズンのプレミアリーグ最終節QPR戦で劇的な決勝ゴールを突き刺したのはまさに伝説だ。
それから10年になるのを記念し、シティは彼の銅像を作ることを決定。その銅像は5月13日にエティハド・スタジアムでお披露目される。
1位 アーリン・ホーラン
2022年にドルトムントから獲得予定
移籍金:6000万ユーロ(82億円)
まだ正式決定はしていないが、シティは6000万ユーロに設定されている彼の契約解除料をドルトムントに支払う見込み。
ドイツでは88試合で85ゴールという凄まじい得点力を見せつけており、80億円は超格安のバーゲン価格といえる。
ただ、スペインでプレーするという夢を諦めておらず、シティとの契約にもリリース条項を盛り込むという噂も。
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父アルフ=インゲもシティでプレーしたことがあり、彼にとってシティは馴染あるクラブだ。