「声をあげて行動して」 被爆者が伝える 体験を中学生に

被爆者 梶本淑子さん(91)
「忘れられた歴史は繰り返す。忘れると、人間はまた同じことを繰り返す。絶対に原爆を使ったり、戦争をしてはいけない」

中学生に自らの体験を話す被爆者の女性…。「絶対に戦争をしてはいけない」と繰り返し訴えました。

RCC

広島市にある安田女子中学校は、生徒たちが被爆の実相を知り、平和への思いを受け継いでもらおうと、毎年、被爆者から体験を聞く機会を設けています。

卒業生でもある梶本淑子さんは、14歳のとき、爆心地から2.3キロ離れた飛行機のプロペラ部品を作る工場で被爆しました。

RCC

梶本淑子さん
「ものすごい爆発音だった。そして、目の前の土地がワアッと噴き上がった。それと一緒にわたしの体も浮き上がったところまで覚えている」

その後、梶本さんは、爆心地近くでけがをした友人が運ばれていく様子や、焼けた赤ん坊を抱きかかえる母親を目撃したときの心境などを話しました。

RCC

梶本淑子さん
「命・食料・言論の自由、これは戦争によってすべてなくなる」

そして、ウクライナに侵攻を続けているロシアが、世界最大の核保有国であることに触れて、「核問題は、77年前の話ではなく、今、現在の問題だ」と訴えました。

RCC

生徒たちは…
「ウクライナの人たちが危険にさらされているので、それはしっかり解決した方がいいと思う」

「話し合いで解決できることもあると思いますし、(ロシアが)核兵器の使用をちらつかせたりだとか、実際に体験して二度と(戦争を)してほしくないという人もいるので、次の世代や家族などにしっかり伝えていけたらなと思う」

RCC

あの日の惨禍を二度と繰り返さないために…。梶本さんは、最後にこう締めくくりました。

14歳のときに被爆 梶本淑子さん
「どうぞ、声を上げてください。行動を起こしてください。そして、絶対に戦争をしない。あなたたちの時代には平和な世の中になっていることを心より願って終わります」

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