バドミントンの団体世界一を決める国・地域別対抗戦、女子ユーバー杯と男子トマス杯の第5日は12日、バンコクで準々決勝(3戦先勝方式)が行われ、女子で2大会ぶりの優勝を目指す日本は台湾に3―0で勝ち、準決勝に進んだ。
1次リーグA組を首位通過した日本は、第1試合のシングルスで世界ランキング1位の山口茜(再春館製薬所)が同2位の戴資穎との接戦を制した。奥原希望(太陽ホールディングス)、ダブルスの福島由紀、広田彩花組(丸杉)も続いた。
D組2位だった日本男子も台湾と対戦。
前日の雪辱、エースの責任
先陣を切ったシングルスの山口がエースの責任を果たした。前日は格下のインドネシア選手に敗れ「切り替えるのが難しかった」中、長くトップを争う強敵を振り切り、日本女子に流れを呼び込んだ。
「前日は狙いがない、ふわっとしたゲームになってしまった」との反省から作戦を練った。強打だけではなく、フェイントや揺さぶりが得意な相手に対し「先に動かない。しっかり相手が打つ球を見てカウンターを仕掛ける」プレーを徹底。フルゲームに持ち込まれても焦らず、ラリーで粘って根負けさせた。
「山口選手がいい流れをつくってくれた」と言う広田も、福島とのペアで接戦を制した。最後は奥原が「東京五輪以来のプレッシャーがかかる舞台だった」と第1ゲームを落としながらも前後左右への揺さぶりがさえ、逆転勝ちした。
日本は山口が「層の厚さ、強さを信頼している」と誇るチーム力を遺憾なく発揮した。女王奪還に向け、奥原は「全員で一戦一戦、戦っていく」と気を引き締めた。(共同=柄谷雅紀)