針尾無線塔シンボルに NHK「17才の帝国」 SF×政治ドラマ 佐世保でロケ

針尾無線塔でもロケが行われたドラマ「17才の帝国」(NHK提供)

 202X年、超高齢化で政治経済が行き詰まる中、政府は人工知能(AI)を使った実験都市を立ち上げ、その総理に選ばれたのは17才の少年だった-。
 NHK土曜ドラマ「17才の帝国」(全5回)が7日から始まった。架空の実験都市「ウーア」のロケは佐世保市などで行われた。中でも同市針尾中町にそびえる旧佐世保無線電信所(針尾無線塔)は塔の内部にAIが設置されている設定で、シンボリックに描かれている。
 「17才の帝国」は、「けいおん!」など数々の名作アニメを手がけてきた吉田玲子の脚本。実験都市の総理を神尾楓珠、閣僚の一人を山田杏奈が演じるほか、内閣官房副長官役の星野源ら豪華キャストが出演する。アニメの世界観と実写の魅力が融合する新しい青春SF×政治ドラマだ。
 針尾無線塔は、旧日本軍が艦船などと連絡を取るため1922年までに建造。国重要文化財として知られる。ドラマでは高さ130メートル超の3本の塔がオープニングはじめ何度となく画面に登場。塔の内部や隣接する電信室や市内商店街などでも撮影が行われている。

ドラマ「17才の帝国」で熱演している神尾楓珠(左)と山田杏奈(NHK提供)

 4月下旬にオンライン取材会があり、神尾は佐世保について「温かいまちという印象。移住するならここかなと思うほど好きになった。無線塔は思った以上に大きくて存在感があり、ドラマのシンボルとしてふさわしい」、山田は「3本の塔が立ち並ぶ風景がなければ、このドラマはできていないと思えた」と感想を語った。
 このほか神尾は「強く見えて弱さもある。役作りが難しかった」と振り返り、山田は「このドラマは若者が政治について考えるきっかけになると思う」と話した。
 「17才の帝国」は毎週土曜午後10時から放送中。


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