商店街発展へ全力尽くす 直江津商連と意見交換 中川上越市長

 上越市の中川幹太市長と直江津地区の商店街で組織する「直江津商店連合会」役員との意見交換会が12日、直江津学びの交流館で開かれた。中川市長が4月、高田本町商店街の若手経営者との意見交換で「直江津に商店街は(もう)ない」と発言したことを受け、市が意見交換を申し入れていた。
 中川市長は発言について「不信感を与えたことをおわび申し上げる。直江津の商店街発展のため全力を尽くすことは変わりない」と釈明。信頼関係の構築をあらためて希望した。

一連の発言について「不信感を与えた」と陳謝する中川市長

 意見交換では、往時のにぎわいを失い、店舗が大幅に減った現状を「『商店街はない』という発言は、同調する部分がある」と表現する人も。一方で「市街地に人を呼び込みたいと活動してきた人がいるのも事実。そうした人は(発言で)引導を渡されたような気持ちだ」と苦言を呈する人もいた。
 連合会の新井康祐会長は、今回の意見交換で問題を収束させ、コロナ禍への対策や直江津祇園祭への準備を進める意向を示した。

◇危機感共有の考え等を回答

 中川市長は9日、一連の発言について、市中心市街地活性化協議会から回答を求められていた「発言の真意」と「引き続き官民連携で両地区の中心市街地活性化に取り組むべきと思うがどうか」の2点の質問について、文書で回答した。
 中川市長は一連の発言を「配慮に欠けた発言」として陳謝。「今の若い人たちの世代で、ここ(高田)を中心市街地と思っている人はいない」の真意は「若い世代の中に本町を中心市街地と思っていない人もいると伝え、危機感を共有したかった」、「直江津には商店街は(もう)ない」の発言は「直江津も含め現在の商店街は大変厳しい状況にあることを伝えたかった」とし、「具体的には、上越に足りない最先端の技術を本町商店街に誘致するなど、若手商店主の得意なIT分野も考えていただきたかった」と回答した。
 「引き続き官民連携で両地区の中心市街地活性化に取り組むべきと思うがどうか」については、「現在の中心市街地は商業上の中心ではなくなっていることに、大変危機感を持っている。活性化に向けどのような街づくりを進めていく必要があるのか、関係者と話し合い、引き続き官民連携・協力して活性化に全力で取り組んでいきたい」と回答した。

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