景気「緩やかに持ち直し」4~5月 6カ月ぶり引き上げ 日銀長崎支店

 日銀長崎支店は19日、4~5月の県内金融経済概況を発表した。景気全体は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で「弱さが一部に残るものの、緩やかに持ち直している」と、6カ月ぶりに判断を引き上げた。
 個人消費は「持ち直しの動きがみられる」と6カ月ぶりに上方修正。飲食がランチ需要を中心に回復し、結婚披露宴などの「晴れの日消費」も徐々に戻ってきた。一方、飲酒を伴う夜の需要は、依然として新型コロナの影響が出ている。
 観光は「引き続き厳しい状況にあるが、持ち直している」と2カ月連続で判断を引き上げた。ゴールデンウイーク(GW)期間中の行動制限がなく、旅行客に持ち直しの動きがみられた。公共投資は引き続き高水準で推移。設備投資も大型案件の寄与で増加を維持した。
 鴛海健起支店長は▽感染再拡大のリスクと人々の根強い警戒感▽国際的な供給制約▽物価上昇-を消費に影響する懸念材料として指摘。先行きについて「景気が緩やかに持ち直す」との見方を維持しつつ、感染症の動きに加え、エネルギー価格・原材料コスト上昇、ウクライナ情勢など「複合的な不確実性が悪影響を及ぼすリスクに注意する必要がある」と述べた。


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