横浜で延焼中の住宅から高齢夫婦助ける 港南消防署が父娘ら4人に感謝状 「体が勝手に動いた」

櫻井署長(右端)から感謝状を受け取った(左から)吉成さん、戸田明日香さん、戸田旬さん=横浜市港南区の港南消防署

 延焼中の住宅から自力で逃げられずにいる高齢者夫婦を救助したとして、港南消防署は23日、会社員戸田旬さん(46)、戸田さんの長女で東京工科大1年の明日香さん(18)、東京消防庁田園調布消防署の消防官吉成祐二さん(42)、訪問看護師河田依恵さん(42)の4人に感謝状を贈った。

 4人は、4月5日午後4時45分ごろに横浜市港南区芹が谷3丁目で発生した住宅火災で、隣接し火が燃え移った木造2階建て住宅から90代男性と80代女性の夫婦を避難させた。

 河田さんは夫婦の看護に訪れていたところ、隣家から火の手が上がった。近くに住む戸田さんが火災に気付き、長女の明日香さんと一緒に、火が出ている家の中まで助けに入った。戸田さんは日ごろから夫婦と近所づきあいがあったことから、すぐに「(自力で)逃げるのは厳しいだろう」と考えたという。親子は「体が勝手に動いた」と口をそろえた。

 近くを通りかかった消防官の吉成さんも加わり4人が協力。戸田さんと河田さんが、車いすの高齢女性を救出し、吉成さんと明日香さんが、高齢男性を背後から抱え、引きずりながら家から運び出した。4人の協力した行動が功を奏し、火災によるけが人はなかったという。

 港南消防署の櫻井清二署長は、「改めて地域での見守りと助け合いの大切さを痛感した」と感謝した。

© 株式会社神奈川新聞社