「スペイン人だけどガットゥーゾ」 福岡MF田邉草民に聞いたスペインサッカーの実体験がおもしろい

日本代表は今年11月に開幕するカタールワールドカップにおいて、ドイツ、スペインと対戦する。

いずれもワールドカップ優勝経験を持つ世界的な強豪。手ごわい相手であることは間違いないが、日本はどちらかを勝点で上回らない限りノックアウトステージ(ベスト16)へ進むことができない。

そこで、Qolyでは過去にドイツやスペインでプレーしたことのあるJリーガーを直撃!

今回は、2013年から2015年にかけてスペイン2部のサバデルでプレーし、現在はJ1のアビスパ福岡に所属する田邉草民にいろいろ聞いてみた。記事ではその一部を紹介。

(取材日:2022年4月27日)

――スペイン人選手の特徴は?

まず、全員の意識はパスサッカー。代表チームがそうなので、パスサッカーを目指してやっています。別に上手くない選手でもそこの感覚はありますし、そこを目指しているんだろうなという印象はありました。

――スペイン人選手はみんな上手い印象があります。

めちゃくちゃ上手い選手もいましたし、逆にスペイン人だけどガットゥーゾみたいな選手もいました。

――スペイン2部のセグンダはどうでしたか?

バチバチでしたね。試合が。本当に肉弾戦で、テンポが速く、どのチームも攻撃的に攻める。

ずっとミニゲームをフルコートでやっている。そういう感じです、ミニゲームやハーフコートゲームのテンションを、フルコートでずっとやっている、みたいな。バチバチでした。

――どのチームも攻撃的?

そうですね。戦術もそうですけど、選手全員の意識が攻撃的です。

僕はサイドハーフとか中盤をやることが多かったのですが、相手のサイドバックが日本より全然、意識が攻撃的でした。

相手チームのGKがボールを取った瞬間、サイドバックが僕の背中を取ってダッシュで前に走っている。そしてそこにすぐボールが出てきます。それが衝撃的でした。

――スペインの守備はどうでしたか?

僕が言われたのは、日本だったら多分「抜かれないように」が大事で、相手のボールホルダーに対して間合いをちょっと開けて「抜かれないこと第一」です。

でもスペインのチームは、「ボールを取りに行け!」。一発で抜かれることもありますが、とりあえず「取りに行って!」と。(外されたら)次の選手が行く。間合いは近いですし、守備も攻撃的な感じでした。

――「ポジショニング」について厳しく言われました?

監督によってですけど、バルサの分析をやっていた人が監督になった時はすごく言われました。

でもシーズン途中で代わったんですけど、ずっと落とし込まれないと難しかったです。だからその監督の時は全然勝てませんでした。

――スペイン人選手にとっても難しいんですか?

バルサはおそらく特別な何かがあって、相当難しかったですね。「これどうやって回すの?」みたいな(笑)。

多分相当上手くないとできないですし、チーム全員がそれを理解していないとできない。そういう感じでした。

動画では他にも、スペインサッカーを経験して個人として「変わった」部分や、今のスペイン代表と日本代表で気になる選手、さらにはアビスパ福岡や福岡の街について、たっぷり聞いているのでそちらもぜひ!

インタビュー当時(※4月27日)、アビスパ福岡はまだ成績が今一つの時期だったが、チームはその後3勝1分1敗と上昇気流に乗り、先週末には横浜F・マリノスを1-0で撃破している。

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福岡は今週、25日(水)に名古屋グランパスとアウェイで対戦。そして28日(日)には、浦和レッズをホームのベスト電器スタジアムに迎える。

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