
核兵器廃絶運動をけん引し、2017年に88歳で亡くなった長崎の被爆者、谷口稜曄(すみてる)さんにスポットを当てたドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」が8月5日から全国公開されることが決まった。25日、報告会が長崎市内であり、映画に登場する谷口さんの長女、寺坂澄江さん(64)は「父の世界平和への思いが伝えられ、うれしい」と話した。
原案は元英国軍人のジャーナリスト、故ピーター・タウンゼンドさんが、郵便配達中に被爆した谷口さんを来崎して取材し、1984年に出版したノンフィクション「ナガサキの郵便配達」。映画では、タウンゼンドさんの娘で女優のイザベルさんが、長崎で父と谷口さんの思いをひもといていく。
川瀬美香監督は「毎年夏、全国のどこかで上映されるような愛される映画に育ってほしい」と語った。
8月5日から県内4映画館を含む全国約50館で公開予定。6月29日には長崎市の長崎セントラル劇場で高校生を対象に試写会を開催。抽選で一般客30人も招待する。問い合わせは映画配給会社ロングライド(電03.6264.4113)。