竹富町工事汚職 贈賄の被告、元請け頼みで「断れず」と主張

 前竹富町長の西大舛高旬被告(74)の27日の初公判では下請け業者の被告(69)らを介し、工事を受注したJFEエンジニアリングの社員への入札情報の漏えい状況も明かされた。

 被告人質問などによると、下請け業者の被告は約30年前からJFE社の下請けに入っていた。下請け業者の被告の会社の売上の7~8割をJFE社が占めており「断れる状況になかった」と述べた。

 無職の被告(75)は西大舛被告と約20年前から趣味の狩猟を通じた友人。下請け業者の被告の下請けで、西大舛被告との橋渡し役となった。

 冒頭陳述などによると、JFE社は下請け業者の被告から得た情報を基に、最低制限価格と同額で17年発注の工事を落札した。接待の場で西大舛被告は「(最低制限価格と)ぴったりで入れるやつがあるか」とJFE社の社員を叱責(しっせき)した。

 下請け業者の被告はJFE社の社員から「どっかの現場でお返しする。なんとかなりませんか」と賄賂金の用意を求められたという。現金は下請け業者の被告が土地や建物を売却して得たと主張した。

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