米実力派俳優 映画のロケ先、睡眠中に死去、67歳「グッドフェローズ」「アイデンティティー」などで好演

マーティン・スコセッシ監督による映画『グッドフェローズ』などで知られる俳優レイ・リオッタさんが死去した。67歳。新作『デンジャラス・ウォーターズ』の撮影のため訪れていたドミニカ共和国で26日、睡眠中に息を引き取ったことをレイの代理人のジェニファー・クレイグ氏がハリウッド・リポーターを通して明らかにした。

1954年にニュージャージー州ニューアークで生れたレイは、孤児院に置き去りにされた後、生後6カ月でマーティとアルフレッド・リオッタ夫妻に養子として迎えられた。『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』の前日譚映画『ソプラノズ ニューアークに舞い降りたマフィアたち』ほか、『マリッジ・ストーリー』『フィールド・オブ・ドリームズ』『ハンニバル』『アイデンティティー』など多数の作品に出演した。

レイの訃報に多くの著名人が追悼の言葉を寄せており、『グッドフェローズ』のメガホンを取ったマーティン・スコセッシはピープル誌に声明を発表。「レイ・リオッタの突然で予期せぬ死に酷くショックを受けており、悲痛の中にある。彼は非常に独特の才能があり、俳優として非常に冒険心があり勇敢だった」「『グッドフェローズ』でヘンリー・ヒル役を演じるのは、至難の業だった。あのキャラクターには、多くの異なる面や、複雑な層が幾重にもあり、レイは長くて困難なシーンのほぼ全てに出演していた。彼には驚嘆したし、我々があの映画で一緒にしたことをずっと誇りに思う。彼の愛する人のことを想っている。彼を失い辛い。あまりにも早すぎる」と綴っている。

レイ・リオッタ

一方、『グッドフェローズ』で共演したロバート・デ・ニーロは「レイが亡くなったと聞いて非常に悲しんでいる。彼は私達をおいて余りにも早く旅立ってしまった」と故人を偲んでいる。

またアップルTV+の新作ドラマ『ブラック・バード』でレイと共演した、映画『ロケットマン』で知られるタロン・エガートンは、自身の父親役を演じたレイへの想いをインスタグラムに投稿。

「昨年、レイ・リオッタと一緒に仕事ができるというだけでなく、彼が僕の父親役を演じるということに深く興奮しながら『ブラック・バード』のセットに入った」

「彼は物静かだった。彼のエネルギーとパフォーマンスを守っていたんだ。彼の邪魔をしたくなかったから、彼にどう近寄ってい良いのか分からなかった」

「僕と目が合った彼は、僕の方に歩み寄り、何も言わずに僕を抱きしめた。長い抱擁だった。でも気まずいものではなかった。その初日、僕達は役柄としてしかお互い口を利かなかった。僕は彼に倣うことにした。彼は僕達が同僚である前に父と息子でありたかったんだと思う」

「続いて起きたのは、俳優として深い経験だった。僕はそれまで、あれほど心地よく温かい繋がりをほかの俳優との間に感じたことはなかった。彼は非常に寛容だった。僕がある方向へ進むと彼はついてきてくれた。常にダンスしていた。常に耳を澄ましていた。自分から創り上げることは決してなかった」と綴った上で、「非常に誇り」に思っている同新作の中でも、特に演技以外でも父親のように感じられたレイとのシーンを「最も誇り」にしていると続けている。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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