なるほど攻めづらい…朝倉氏を撃退し続けた国吉城 福井県美浜町の現地見学会に50人参加

大野康弘館長(左)の説明を受けながら国吉城址を巡る参加者=5月28日、福井県美浜町佐柿

 「続日本100名城」に選ばれている国吉城(福井県美浜町佐柿)の現地見学会「国吉城址を巡ろう」が5月28日、開かれた。福井県内外から家族や友人と訪れた約50人が城主居館跡や伝二ノ丸跡などを巡り、難攻不落を誇った城について造詣を深めた。

 国吉城は戦国時代、若狭武田氏の家臣・粟屋勝久が築いたとされる山城。永禄6(1563)年から約10年間、越前朝倉氏を撃退し続けたことから難攻不落の城として名をはせた。

 見学会は県内の市町や観光協会などでつくる「ふくい城巡りプロジェクト」実行委員会と美浜町教育委員会の共催。参加者は、ガイドを務めた若狭国吉城歴史資料館の大野康弘館長と一緒に、麓の城主居館跡から山頂の本丸跡を目指した。

 城主居館跡の石垣について大野館長は「高さは4メートルほどで、ほぼ垂直だったと推定される」と解説。山頂への中腹にある伝二ノ丸跡では、土塁や2020年度に完成した赤色立体地図で存在が明確になった小曲輪段などから「敵を迎え撃つ場所として機能していた」と説明した。

⇒福井の城を学び楽しむ「ふくい城巡り」

 参加者には赤色立体地図をあしらった御城朱印などの記念品が配られた。同県鯖江市から参加した男性(21)は「攻めづらいように設計されていることが分かった」と満足していた。

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