ドルゴヴィッチが今季4勝目。佐藤万璃音が10位入賞、岩佐は攻めが裏目に【FIA F2第5戦モンテカルロ レース2】

 現地時間5月29日(日)、2022年FIA F2第5戦モンテカルロのフィーチャーレース(決勝レース2)が開催され、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)が今季4勝目となる優勝。日本の佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)が10位入賞、岩佐歩夢(ダムス)は17位だった。

 既報のとおり予選でポールタイムを計測したリアム・ローソン(カーリン)がペナルティにより5番手スタートとなり、ポールスタートはフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)、その隣には昨年のモナコウイナーであるテオ・プルシェール(ARTグランプリ)がつける。

 セカンドロウは3番グリッドにジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)、4番手はユーリ・ビップス(ハイテックGP)。岩佐は12番手、佐藤は17番手からポイント圏内を目指すことになった。

 雨予報が出ていたモンテカルロだが幸いにも天候は晴れ、気温24.0度、路面温度28.8度とレース1よりも10度以上低い路温のドライコンディションだ。レース周回数は42周もしくは60分、1回のタイヤ交換義務がありスーパーソフトとソフトの2種類が選択されている。現地時間17時05分にフォーメーションラップが開始された。

 ローソンとロイ・ニッサニー(ダムス)がストールしてしまいピットレーンスタートを選択。それ以外のマシンがグリッドにマシンを停止しフィーチャーレースはスタート。上位勢は混乱なくサン・デ・ボーデを通過。後方では横並びになり軽く接触するシーンも見られたが全車無事に1周目を完了。岩佐は2周目までに2つポジションアップし早速ポイント圏内に入る。

 スーパーソフトでスタートした岩佐ら3台が7周目終わりに先陣を切ってピットインしタイヤをソフトに交換。これを皮切りに翌周にもスーパーソフト勢がタイヤを交換。後半のアンダーカットに懸けてタイヤをマネジメントしながらのレース展開となった。

 膠着状態が続く16周目、ニッサニーがトラブルでリタイアを選択。コース上ではタイヤをすでに交換しているレース1勝者のデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が、タイヤを交換していないローソンに追い付く。前に詰まったことで、タイヤ交換直後は15秒後方にいた岩佐がその差を徐々に縮めていくことに。

 すると19周目、アムリー・コルデール(ファン・アメルスフォールト・レーシング)がラスカスのウォールに単独で接触、ダメージを負いホームストレートでマシンを停止させる。これによりセーフティカー(SC)が導入されソフトスタート勢が一気にピットインしスーパーソフトへ交換。オーダーはドルゴヴィッチ、プルシェール、ビップスとなりレースは22周目からリスタートされた。

 しかし直後の23周目にロウズ・ヘアピンでクレモンテ・ノバラック(MPモータースポーツ)がローソンに追突されウォールにヒットしストップ。マシン回収のためSCが25周終了時点まで導入、トップ3は変わらずにレース再開となった。

 スーパーソフト勢にとってはタイヤを温存できる恵のSCとなり、全体的に順位変動なくレースは進行。2番手プルシェールは毎周のようにライン変更などしてドルゴヴィッチ攻略を試みる。つねに0.6秒前後のギャップで走行するががなす術なくファイナルラップに突入。

 そしてドルゴヴィッチがポジションを守り切り今季4勝目となるトップチェッカーを受けた。2位にプルシェール、3位のビップスまでが表彰台を獲得した。

 途中11番手にドロップした岩佐はファイナルラップのロウズ・ヘアピンでカラン・ウイリアムズ(トライデント)のインに飛び込むも交錯。2台はコースアウト側にマシンを停止させ万事休す。これにより後続は順位を2つ上げ佐藤が10位入賞を果たしている。

 シリーズポイントランキングはドルゴヴィッチが2番手以下を大きく引き離す113ポイントで首位。プルシェールが81ポイントで2番手、3番手はユアン・ダルバラの53ポイントとなった。

 次戦は6月10日〜12日にアゼルバイジャンのバクーストリートサーキットで開催される。

■FIA F2第5戦モンテカルロ フィーチャーレース(決勝レース2) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 11 F.ドルゴヴィッチ
MPモータースポーツ 42LAPS

2 10 T.プルシェール ARTグランプリ 0.827

3 8 J.ビップス ハイテックGP 8.042

4 3 J.ドゥーハン ビルトゥジ・レーシング 12.954

5 22 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 13.534

6 7 M.アームストロング ハイテックGP 14.746

7 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 15.301

8 2 J.ダルバラ プレマ・レーシング 15.721

9 6 L.サージェント カーリン 16.164

10 4 佐藤万璃音 ビルトゥジ・レーシング 24.165

11 23 C.ボリュクバシ チャロウズ・レーシング・システム 27.670

12 20 R.フェルシュフォー トライデント 27.755

13 24 J.ヒューズ ファン・アメルスフォールト・レーシング 30.513

14 9 F.ベスティ ARTグランプリ 31.625

15 14 O.コルドウェル カンポス・レーシング 32.609

16 21 C.ウィリアムズ トライデント 1Lap

17 17 岩佐歩夢 ダムス 1Lap

— 5 L.ローソン カーリン DNF

— 12 C.ノバラック MPモータースポーツ DNF

— 25 A.コルデール ファン・アメルスフォールト・レーシング DNF

— 16 R.ニッサニー ダムス DNF

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