横浜大空襲77年 平和祈念碑内の銘板公開、遺族ら犠牲者悼む

銘板に刻まれた犠牲者を悼む遺族ら=29日午前、横浜市中区

 太平洋戦争中の横浜大空襲から77年となる29日、横浜市中区の大通り公園にある平和祈念碑で、犠牲者の名前を刻んだ銘板が今年も公開された。遺族らは節目の日に足を運び、犠牲者を悼んだ。
 
 平和祈念碑は、昨年解散した横浜戦災遺族会が1992年に建立し、今年でちょうど30年。毎年5月29日には碑内部にある銘板が公開されている。 

 この日、祈念碑を訪れた横浜市港南区の長谷川美智子さん(82)は、当時5歳で自らも空襲を体験し、同時に親族6人を亡くしたという。銘板に刻まれた6人の名に視線を向け、回顧し、目を潤ませた。長谷川さんは「私は小さかったが、あのときの衝撃はいまも人に話すことができないほど、心の中で拭いきれない記憶として残っている」と話し、戦争の惨禍が人の心の傷として残り続けることの恐ろしさを語った。

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