「いい稚魚が入った」養殖トラフグをいけす放流 福井県内最大の産地、敦賀市西浦地区

敦賀湾内のいけすにフグの稚魚を放流する漁師たち=5月30日朝、福井県敦賀市手

 福井県内最大の養殖トラフグの産地、敦賀市西浦地区で5月30日、稚魚を敦賀湾内のいけすに放流する作業が始まった。1年半かけて体長約40センチまで育て、県内外に出荷する。

 同地区では1980年代後半から養殖しており、関西を中心に年間10トン程度が流通している。敦賀市海水養魚協会によると、毎年5~6月に稚魚を入荷しており、今年は漁師8軒が長崎県産や県内産の稚魚を昨年より9千匹多い計12万匹を仕入れる予定。

 初日は2万匹を入荷し、同市手の漁港でトラックからホースを使って体長8センチの稚魚を漁船に移し、湾内に浮かべたいけすまで運んでいった。漁師たちは時折、稚魚を手のひらですくって生きの良さを確かめていた。

 同市の寺元光男さん(64)は「例年並みのいい稚魚が入った。えさの食いがどうかだが、期待大や」と日焼けした顔をほころばせた。

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