長崎の喫茶店で深夜にぼや… 消火した勇敢な若者へ「誰か分かればお礼を」

ぼやが発生した店先=長崎市油屋町

 大型連休中の深夜、長崎市油屋町の老舗喫茶店「ツル茶ん」の店先でぼやが発生した。店主によると、営業時間外で無人。通りかかった若者数人が消し止めて通報し、事なきを得た。店主は若者たちの行動に感謝している。
 店主が警察から説明を受けたところによると、ぼやが発生したのは5日午前0時40分ごろ。店先に出していたごみ袋から火が出た。自宅で就寝していた店主は警察からの連絡でそれを知った。何者かがごみ袋に火を付けた可能性が高いとみられる。
 その日は可燃ごみの回収日。袋の中にキャベツや残飯などを入れ、普段通り、店先の植え込みがある場所に置いていた。「延焼すれば大惨事になる恐れもあった」と店主。
 ピンチを救ったのは偶然通りかかった若者たち。燃えているごみ袋を建物などから遠ざけようと蹴ったり、火を踏み消そうとしたりしたという。翌朝、店主が現場の様子を確認すると、想像以上に汚れがひどく、若者らの懸命な消火活動が目に浮かぶようだった。
 勇気ある行動を取った若者たちが、どこの誰か分かっていない。「彼らの靴やズボンは汚れていないだろうか。誰か分かれば、お礼を言って、ごちそうしたい」。店主は「ヒーローたち」への感謝の気持ちを口にした。


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