日活新企画「ROMAN PORNO NOW」 松居大悟、白石晃士、金子修介監督作 タイトル・公開日決定

ロマンポルノ50周年記念プロジェクトを実施している日活が、新企画「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」で制作した新作3本の、タイトル・公開日・主要キャストが発表された。

第1弾となる山崎ナオコーラの同名小説を原作に松居大悟が監督する「手」は、9月16日より劇場公開される。昨年の東京国際映画祭にて「ちょっと思い出しただけ」で観客賞とスペシャルメンションを受賞した松居監督がロマンポルノに参加し、20代のリアルな男女の姿を映し出す。年上男性ばかりと付き合ってきた主人公・さわ子の機微を、福永朱梨(ふくなが あかり)が演じる。

第2弾は、9月30日劇場公開となる、白石晃士監督作品「愛してる!」。ホラー・サスペンスやフェイク・ドキュメンタリーを得意とする白石監督がSM作品に初挑戦する。解放されていくアイドルをポップに描く。SMプレイで身も心も抗えないほど知らなかった快感に目覚めていく主人公・ミサを川瀬知佐子(かわせ ちさこ)が演じ、ミサをSMの世界に導いていく女王様・カノン役を鳥之海 凪紗(とりうみ なぎさ)が、ミサのライバルでもあるユメカ役を乙葉あい(おとは あい)が務める。

第3弾となる金子修介監督作品「百合の雨音」は、10月14日に公開される。ロマンポルノ作品「宇能鴻一郎の濡れて打つ」で監督デビュー後、平成「ガメラ」シリーズや「デスノート」などを生み出した金子監督が原点に立ち返り、「OL百合族19歳」以来38年ぶりとなるロマンポルノを手がける。過去のトラウマから恋愛に臆病になっている主人公・葉月を小宮 一葉(こみや かずは)、憧れの上司・栞を花澄(かずみ)が演じる。

日活ロマンポルノは、日活が1971年に打ち出した、当時の映倫規定における成人映画のレーベル。製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができたため、監督たちスタッフは限られた条件の中で新しい映画作りを模索し、さまざまな表現に挑戦した。製作が終了した1988年までの17年間に、約 1,100本もの作品を公開し、多くのスタッフ・キャストが育った。現在まで国内外で高く評価されている作品も多い。

「ROMAN PORNO NOW」は、女性を強く美しく多彩なジャンルで描き、半世紀にわたり愛され続けてきた日活ロマンポルノのスピリットを受け継ぎ、現代のさまざまな生き方や個性を認め応援する、時代の「今」を切り取った新作映画を製作するプロジェクト。

監督・キャストのコメントも発表された。発表されたコメントは以下の通り。

【コメント】

■松居大悟監督
敬愛する相米慎二監督などが手がけた邦画の歴史あるレーベルに参加できること、光栄に思います。
「今までとは違う、新しいロマンポルノを作りたい」という結城未来プロデューサーの熱意と、繊細に紡がれた山崎ナオコーラ先生の原作に胸を打たれ、シンプルにいいチームでいい作品を作ろう、と心掛けました。
オーディションで出会った福永朱梨さんの佇まいがとにかく素晴らしく、
福永さん演じる"さわ子"の感性を追いかけながら連れていってもらいました。誤解を恐れずにいうと、これは、福永朱梨の映画なのでは、と思ってます。 楽しみにしてくれたら嬉しいです!

■福永朱梨
「手」に出会った時、他人事とは思えない繋がりを感じました。俳優と一緒にとことん悩んでくれる松居監督と
心強い先輩方の胸をお借りし思いっきり飛び込ませて頂きました。私にとって、宝物のような作品です。
ご覧いただいた方にも、大切な一本になればと願っています。
年齢も性別も関係なく、沢山の方にこの映画に出会って欲しいです。

■白石晃士監督
私のロマンポルノは、未来を見ている映画です。オーディションで出会った川瀬知佐子さん、鳥之海凪紗さん、乙葉あいさんの3人が、それぞれの人生の未来に向けて、大切なものをさらけ出して全力で演技してくれたことに感謝し、この映画を3人に捧げます。ロマンという言葉にある希望のニュアンスに沿い、歴代ロマンポルノ幸福度ナンバーワンを目指してこの映画を作りました。どうぞお楽しみに。

■川瀬知佐子
記念すべき日活ロマンポルノ 50 周年作品に携われたことを誇りに思います!私自身と、演じたミサという役は共に不器用な人間ですが、その不器用な奴が発する、特別な熱量をこの作品に込められたんじゃないかなと勝手に思っています。この作品を通してミサと出会えてよかったです。劇場で是非お会いしましょう!

■鳥之海凪紗
役作りが難しいキャラクターでしたが監督やスタッフさんと話し合ったり、監修の方にたくさんアドバイスをもらって 挑みました。同年代のキャストさんたちと一緒に撮影出来て
楽しかったです。皆の思いが詰まった素敵な青春映画に仕上がったと思います。

■乙葉あい
オーディションから撮影までの間、不安で押し潰されそうになりながらも、なんとか周りの方々に支えられて撮り切ることができました。
私にとって、初めての挑戦が詰まった作品です。
とても貴重な経験をさせて頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
たくさんのお客様に届けて、スクリーンで楽しんでもらいたいです。

■金子修介監督
33 年ぶりのロマンポルノで考えたのは「愛の行為で女性は如何に輝くのか?」という観点で、美しくも切ない愛する時の姿を「心の解放」として撮りたかった。小宮一葉さんは自分自身に驚きながらもデリケートに、花澄さんは全てを思い切りさらけだしてスリリングに演じた。大人の女性同士の熟したエロティシズムを描く親密シーンでは、インティマシーコーディネーターを交えて演技環境を整え、歓び華開いた女優さんたちに感謝感激!

■小宮一葉
1 人の俳優として、そして女性として、この作品を広く観ていただける女性の映画にしたいと思い、金子監督の胸をお借りして、その為に力を尽くさせて頂きました。演じている最中は役として悲しみや辛さの中にも居ましたが、出来上がった作品は、温かみやおかしみのある、金子監督らしい人間讃歌になっていると感じました。

■花澄
この令和に生きていて、ロマンポルノという舟が自分の前に現れるとは想像もしていませんでした。心技体、今のわたしが持っているものは全てこの作品に込めたつもりです。金子監督をはじめ、すべてのステキな巡り合わせに感謝し、この作品が、消費とは別の、新しい女性の姿として受け入れられることを願っています。

【作品情報】
ロマンポルノ 50 周年記念プロジェクト
【第1弾】9月16 日『手』
【第2弾】9月30日『愛してる!』
【第3弾】10月14日『百合の雨音』
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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