がんリスク、唾液で解析 専用キット導入 壬生・佐藤工業

唾液でがんのリスクを調べられる検査キットを持つ社員=壬生町

 総合建設業の佐藤工業(壬生町壬生甲、佐藤豊忠(さとうとよただ)社長)は本年度、従業員とその家族向けに、唾液でがんのリスクを調べられる検査を全額社費負担で導入した。自宅で簡易に検査できることが特徴。早期の発見と治療につながる検査の導入で、従業員が安心して仕事と家庭を両立できる環境を目指す。

 導入したのは、検査事業のサリバテック(山形県鶴岡市)が開発した「サリバチェッカー」。唾液中の代謝物濃度を解析することで、がんのリスクを測定できる仕組みだ。自宅で唾液を採取してサリバテックに送り、3週間程度で解析結果が出るという。

 サリバチェッカーは、SOMPOホールディングスのグループ企業ヘルスサポート(東京都)が、企業向け福利厚生サービスとして割引価格で販売している。

 佐藤工業は、同グループ企業の県内の代理店から勧められ、導入を決めた。初年度の本年度は4、5月に、従業員と家族の計約70人が検査を受けた。結果は本人にのみ通知される。

 佐藤工業は、高リスクと評価された社員が希望すれば、確定診断を受けるための医療機関を紹介する体制も整えた。同社の担当者は「早期対応のためにも検査は毎年継続していきたい」としている。

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