神奈川・宮ケ瀬ダムの予備ゲート 完成以来初の開閉用ワイヤ交換 総重量は4トン超

ダム上部のゲート室の巻き上げ機に取り付けられた新品のワイヤ=5月25日、宮ケ瀬ダム

 神奈川県西部にある宮ケ瀬ダムの下部から水を放流する「低位常用洪水吐(こうずいばき)予備ゲート」の開閉用ワイヤが、2001年のダム完成以来初めて交換された。総重量4トンを超す金属製ワイヤだが、開閉操作の摩擦ですり減っていたといい、ダムを管理する国土交通省相模川水系広域ダム管理事務所の山崎孝次施設管理課長は「安全に作業をやりとげることができた」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

 同ダムには、洪水に備えた放流や観光放流で使う高い位置の「高位常用洪水吐」やダム最上部(天端(てんば))の約100メートル下に位置する「低位常用洪水吐」、深さを選んでダム湖の水を放流できる「選択取水設備」など、複数の放流設備がある。

 低位常用洪水吐は、高位常用洪水吐にトラブルがあった際に代わりに放流する設備で、放流管内を流れる高水圧の水を「主ゲート」と呼ばれるダム内の巨大な扉で開閉している。

 その主ゲートに異常が発生したり、点検したりする際にバックアップとして活躍するのが「予備ゲート」で、ダム上流側で直接湖水に触れる状態で稼働する。

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