女児死亡…両脚骨折したのに母は仕事へ 一緒に住む交際男、女児の面倒見るも、あざ複数…その後、男は自殺

母親と次女が住んでいた住宅=春日部市下蛭田

 昨年12月、埼玉県春日部市の自宅で両脚を骨折した次女(3)が放置され、その後、死亡した事件で、保護責任者遺棄容疑で再逮捕された母親(31)=傷害罪で公判中=は、交際相手の男(37)と一緒に住み始めた昨年11月下旬から次女を市内の保育施設に通わせていなかった。県警や市によると、それまでは虐待の報告や兆候はなく、県警は男と同居後からの約1カ月間に虐待が繰り返し行われていたとみて、捜査している。

 県警や市によると、母親の次女は、長女(6)と共に保育施設に通っていたものの、昨年11月26日を最後に登園しなくなった。母親がカラオケ店に勤務し、男が自宅で2人の面倒を見ていたという。市や児童相談所によると、虐待が疑われる通報はなかった。

 母親は男と共謀し、昨年12月中旬から同月29日にかけて、次女が両脚大腿(だいたい)骨を骨折し歩けない状態にもかかわらず、適切な措置を受けさせなかった疑いがある。同29日に次女は脳損傷で死亡。顔や頭には複数のあざがあったという。母親と男は同30日、次女の顔を手で殴るなどの暴行容疑で逮捕され、今年1月に傷害罪で起訴されていた。男は3月19日に勾留先の春日部署で自殺した。

 県警は1日午前、母親を保護責任者遺棄容疑で、さいたま地検に送検した。

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