大雨想定し住民避難訓練 諫早市、国立青少年自然の家と初

訓練で避難所に到着後、検温を受ける住民(左)=国立諫早青少年自然の家

 梅雨などの出水期を控え、長崎県諫早市は5月31日、災害に関する協定を結んだ国立諫早青少年自然の家を避難場所に、大雨や土砂災害を想定した住民避難訓練を実施した。地元の白木峰町や隣接の大場町の住民約60人をはじめ、消防団など計約90人が参加。避難情報の伝達や避難誘導、避難所での受け入れ対応などを確認した。
 同自然の家は昨年9月、災害発生時やその恐れがある場合、施設を避難所などとして提供する協定を市と締結した。市が、施設利用協定を結んだ関係機関と合同訓練をするのは初めて。
 5段階の警戒レベルのうち、レベル3の「高齢者等避難」、続いて同4の「避難指示」が発令されたとの想定。自治会長は役員に、役員は班長に情報を伝達し、避難を始めた。このうち、白木峰町の白木峰地区では約20人が住民の自家用車に乗り合わせて同自然の家に向かった。今回の訓練を契機に、避難弱者への「共助」の対応を検討し、車に乗せて避難させる担当を決めるなどしたという。
 同自然の家では防災講座があり、市職員が自分の身を守る「自助」や住民による「共助」の意識が防災・減災の鍵だと強調。避難ルートの確認など日ごろの備えや早めの避難を呼びかけた。両町は諫早大水害時、土砂崩れが多発。白木峰町の松本茂自治会長(71)は「住民の防災意識をいかに高めていくかが自治会としての課題」と話した。


© 株式会社長崎新聞社