メクル第631号 見て香って食べよう♪ 風味いろいろ「エディブルフラワー」

© 株式会社長崎新聞社

カラフルファームで生産しているエディブルフラワー

 見て香(かお)りをかぐだけでなく、食べて楽しむ花「エディブルフラワー」。料理に添(そ)えるだけで食卓(しょくたく)が華(はな)やかになり、写真映えするなどとして近年、注目されています。県内の生産農家を訪(たず)ね、エディブルフラワーの栽培(さいばい)の様子や魅力(みりょく)を聞きました。

 エディブル(edible)は、英語で「食べられる」という意味。専用(せんよう)の品種はなく、花壇(かだん)などでよく見かけるような観賞用の花で食べられるものを、食用として栽培した花です。

エディブルフラワーを使った華やかなサラダ

 日本でも古来から、菊(きく)や桜(さくら)などの花を食べる食文化がありましたが、現在(げんざい)はより多くの品種がエディブルフラワーとして生産されています。市販(しはん)され、大型スーパーやインターネットなどで手に入れることができます。
 松浦(まつうら)市御厨(みくりや)町にある農業法人「カラフルファーム」は、2018年からエディブルフラワーの生産をしています。切り花農家を継(つ)いだ同社代表の前田裕治(まえだゆうじ)さん(40)が、ある農業イベントで花がふんだんに使われた料理を食べて感激(かんげき)。「花でも人々の食と関わりたい」と手探(てさぐ)りで栽培を始めました。

エディブルフラワーを生産している前田さん=松浦市御厨町

 今では、ビニールハウスで年間を通して約30種類のエディブルフラワーやハーブを育てています。花びらが最も開いた頃(ころ)に収穫(しゅうかく)して、密閉(みっぺい)パックに詰(つ)めて出荷。県内外のレストランなどで提供(ていきょう)されています。
 ビオラ、ナデシコ、カーネーション、ベゴニア、キンギョソウ…。5月中旬(ちゅうじゅん)、前田さんの元を訪ねると、色とりどりの花々が咲(さ)き誇(ほこ)っていました。
 「食べてみますか」。前田さんが小さなマリーゴールドを摘(つ)んでくれました。食べてみると、豊かな香りが口いっぱいに広がり、爽(さわ)やかな苦味も感じました。他にも辛味(からみ)のあるナスタチウムや酸(す)っぱいオキザリスなど、花によって風味もさまざまです。
 愛らしい花をかみしめていると、何だか悪いことをしているような不思議な感覚にもなりました。前田さんは「食べ慣(な)れると野菜感覚で食べられるようになりますよ」とにっこり。前田さんのお気に入りは、見た目がかわいいコーンフラワーだそうです。

佐世保市江迎町の洋菓子店「ストロベリースタイル」で販売している、カラフルファームのエディブルフラワーを使ったスイーツ

 手軽に楽しむ方法は、サラダに花びらを散らしたり、ケーキやゼリーなどのスイーツに添えて飾(かざ)ったり。一輪あるだけで、ぱっと皿が華やぎます。他にもアイシングクッキーに使ったり、水と一緒(しょ)に凍(こお)らせてアイスキューブにするなど、活用法はさまざまです。
 前田さんは、「目で見て楽しく、味もそれぞれに違(ちが)いがあって、栄養がぎゅっと詰(つ)まっている。もっと身近な存在(そんざい)になってほしい」と話しました。

  エディブルフラワーは食用として栽培されているよ。花壇などの観賞用の花は毒があったり、農薬が使われたりしているので、安全と判断できないものは食べないでね。