レスリング 島原工8年ぶり奪還 重圧の中から大逆転 第74回長崎県高校総合体育大会 第1日

【レスリング団体決勝、島原工-島原】果敢に攻める島原工65キロ級の植木(左)=島原市、島原高体育館

 「自分たちの代で再び頂点へ」。7人の対勝負で競ったレスリング団体決勝は、島原工が0-3から4連勝して8年ぶりに優勝旗を手にした。黒田監督は「プレッシャーの中で勝てたのは良かった」と選手たちをたたえ、インターハイに向けて「県新人大会に比べて甘さが出た。内容も良くない。もう一度本気で練習から取り組もう」とさらなる奮起を促した。
 負けたら優勝がなくなる崖っぷちで流れを引き寄せたのは、黒田監督から「気負うな。強い気持ちでいけ」と送り出された65キロ級の植木。丁寧に攻めて1分26秒で最初のポイントを奪うと、2分過ぎに畳みかけるようにポイントを重ねてテクニカルフォール勝ちした。
 このいい流れを受けた主将で71キロ級の小関は「信頼して待っていた」。果敢に攻めて2勝目を挙げると、80キロ級の岸田、125キロ級の片岡も続いた。4-3の大逆転劇を完結させた。
 今季の選手たちは、ほとんどが高校から競技を始めた。そんな雑草集団が、全国で勝つための厳しい練習に耐え、3月の全国選抜大会で3回戦まで進んだ。小関が仲間たちの思いを代弁した。「インターハイは3回戦の壁を越えて、ベスト8にたどり着きたい。切り替えて練習の質を上げていく」。インターハイまで約2カ月。伸びしろはまだ、残っている。


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