オリオールズのプロスペクト右腕・ロドリゲス 今季絶望の可能性も

2019年ドラフト全体1巡目指名のプロスペクト捕手、アドリー・ラッチマンが先月メジャーデビューするなど、スローペースながらも着実にチーム再建を進めているオリオールズ。次は2018年ドラフト1巡目(全体11位)指名のプロスペクト右腕、グレイソン・ロドリゲスのメジャーデビューが期待されていたが、この22歳右腕のデビューは来季へ持ち越される可能性が出てきた。ロドリゲスはグレード2の右広背筋痛と診断されており、今後数週間は投げられない見込み。具体的な戦列復帰時期は未定となっている。

ロドリゲスは今季AAA級ノーフォークで開幕を迎え、ここまで11試合に先発して56回を投げ、5勝1敗、防御率2.09、80奪三振の好成績をマーク。マイク・エライアスGMが「彼は現時点では、基本的にはマイナーリーグでの仕事に関して考えられる全てのチェックボックスにチェックを入れられる段階にあった」と話しているように、マイナーでやるべきことをほぼクリアし、メジャーデビューが近づいている状況だった。

ところが、右広背筋を痛めて戦線離脱。エライアスGMが「この故障は非常に高い確率で完治するものだ」と語っているように、ロドリゲスの明るい未来に悪影響を及ぼすようなものではないものの、メジャーデビューの時期が予定よりも遅れることは確実だ。エライアスGMは「再発の可能性があるので、それを避けられるようにできる限り慎重に進めていきたい」とも語っており、今季中の戦列復帰とメジャーデビューを目指すのではなく、来春のスプリング・トレーニングを万全の状態で迎えることが目標となる可能性も出てきた。

戦前の予想通りにアメリカン・リーグ東部地区の最下位に沈むオリオールズにとって、ロドリゲスを無理に早期昇格させる必要がないのも事実。当然ながら、ロドリゲスが健康な状態で1年でも長くプレーできることのほうが重要だ。「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキングで全体3位、投手ではトップの評価を受けている右腕のメジャーデビューは来季へ持ち越しということになるかもしれない。

© MLB Advanced Media, LP.