相当ダムで慰霊祭 米捕虜ら犠牲者を悼む 佐世保

相当ダム建設で亡くなった米国人捕虜や日本人を追悼した慰霊祭=佐世保市、相当ダム

 第2次大戦中、長崎県佐世保市上柚木町で相当ダム建設に従事して亡くなった米国人捕虜と日本人の慰霊祭がこのほど、現地であった。米海軍佐世保基地や市の関係者ら約50人が参列。死没者を悼み慰霊塔に花を手向けた。
 ダムは旧日本軍が建設し1944年に完成。過酷な作業を強いられ、米国人53人と日本人作業員14人が亡くなった。市によると、現在は相浦地区から佐世保駅付近まで水を供給しているという。慰霊塔は市が56年にダムのそばに建立。同基地によると、慰霊祭は同年から開いているという。
 同基地司令官のデイビッド・アダムス大佐は「国防のために尊い命を犠牲にした英霊のみ霊に哀悼の誠をささげ、その功績に思いをはせる日だ」と追悼。山口智久副市長が「犠牲者の無念さを思うと、深い悲しみと痛恨の思いが身に迫る。日米両国の協力関係が末永く続くことを祈念する」と、朝長則男市長のあいさつを代読。死没者の名前を読み上げ、鎮魂のラッパを演奏した。
 式には、相当ダムの歴史をテーマにドキュメンタリー番組を制作中の県立佐世保西高の放送部も初めて出席した。 


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