バレー女子 九州文化学園「心つなぎ」Ⅴ4 修正して劣勢を挽回 第74回県高校総合体育大会 第4日

【バレーボール女子決勝、九州文化学園-聖和女学院】第2セット、ブロックに跳ぶ九州文化のMB足立(右)とセッター市川(左)=佐世保市体育文化館

 バレーボール女子は九州文化学園が4連覇を飾った。これで積み重ねた優勝回数は34。今年も「打倒九文」を掲げる他校の高い壁となった。過去に何度か敗れた年もあったが、そこからすぐに立て直して再び勝ち続ける。昭和、平成、令和と時代が変わっても、チームは学校の看板を背負って戦い、勝っている。
 決勝の相手は昨年と同じ聖和女学院。井上監督が「相手よりも倍の気持ち、倍の考えがなければ勝てないということが分かったはず」と振り返ったように、この日は第1セットを23-25で落とすと、第2セットも中盤まで12-16と劣勢だった。
 だが、ここから修正できるのが、名将率いる九文の真骨頂だ。ラリーで粘り勝つ場面が増え、MB足立を軸に、OH田中凛、君田、OP大串らが次々に加点。第2セットを25-22で奪うと、続く2セットは序盤から引き離した。大会前にMBからポジション変更した君田は「センターのときよりも“自分が”という思いが強くなった」と言い、要所で1年生も起用するなど、伸びしろも感じさせた。
 厳しい練習、日常生活で人間性や目配り気配りを染み込ませて根付いてきた伝統の「心でつなぐバレー」。今夏のインターハイは1989年に初優勝した時と同じ徳島県開催で、井上監督は当時のエピソードも今の選手に伝えてきた。
 そんな歴史も踏まえて挑む夏の大舞台。主将の足立が宣言した。「一本一本で人の心を動かせるように、思いを乗せてやる。最後は絶対に日本一」


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