2年半ぶり街頭復活 11日、宇都宮で「あしなが募金」

11日に街頭募金に立つ奨学生(左側2人)と育英会職員=7日夕、宇都宮市内

 病気や災害で親を亡くした子どもを支援する「あしなが育英会」の奨学生でつくる「あしなが学生募金事務局」の栃木ブロックは11日、2年半ぶりに街頭募金を行う。新型コロナウイルス禍の影響で2019年10月から活動を自粛していた。JR宇都宮駅での活動に参加する学生は「奨学生の存在を知ってもらいたい」と協力を呼びかけている。

 「あしなが学生募金」は奨学金を受ける学生が自ら行う街頭募金活動。今回は、5月13日に東京都内からスタートした「全国リレー募金」の一環で実施する。

 県内ではコロナ禍以前、あしなが学生募金は毎年4、10月に4日間ずつ、JR宇都宮駅などで実施していた。しかし感染拡大により、19年10月を最後に活動を自粛した。育英会によると、活動自粛で奨学金の財源が減り、以前からの継続寄付者や企業の寄付に頼らざるを得ないなど、財源集めに苦労してきたという。

 一方、育英会はコロナ禍の影響で遺児家庭の経済的困窮が深刻化したとし、「奨学金のニーズは高い」と指摘する。食料品などの値上げも家計を圧迫することから「募金活動の復活が急務だ」として、リレー募金を企画したという。

 「存在を知ってもらえたらうれしい」。奨学生の一人で美容師を目指している那須烏山市、専門学校生横山紗弓(よこやまさゆみ)さん(20)は力を込めた。「支えてくださる方に直接お礼を言いたい」と話す一方、高校生ら“後輩”の支援にもつなげたいと考えている。学生ら十数人が参加する予定だ。

 午前10時~午後6時。JR宇都宮駅のみどりの窓口前で行う。

© 株式会社下野新聞社