映画「にわのすなば」 マルセイユ国際映画祭出品決定 特報映像も公開

2022年に劇場公開される、黒川幸則監督作「にわのすなば GARDEN SANDBOX」が、マルセイユ国際映画祭のインターナショナル・コンペティション部門に正式出品されることが決まった。決定にあわせて特報映像が公開された。

「にわのすなば GARDEN SANDBOX」は、東京都多摩市でインディペンデント映画の上映やシネクラブを続けるカフェバー・キノコヤが製作した第一回作品。友達の誘いで知らない町にアルバイトの面接に訪れたサカグチは、理不尽な仕事を断って家に帰ろうとするが、なぜかすんなり帰れずに、町をさまよい謎めいた出会いと別れを繰り返す。窒息しそうな社会から逃れ、たとえ無職で手ぶらでも他者とともに愉快なひと時を過ごす、そんな時間が描き出されている。

カワシママリノ、村上由規乃ら、インディペンデント映画で活躍する俳優たちに加え、キノコヤに集う新谷和輝、遠山純生といった映画評論家・研究者が、黒川監督たっての希望で出演。柴田千紘、西山真来、佐伯美波、中村瞳太、日活ロマンポルノ出身の風祭ゆきらが脇を固めている。

マルセイユ国際映画祭は、地中海に面したフランスのマルセイユで開かれる映画祭。昨年は、杉田協士監督作「春原さんのうた」が、日本映画初のグランプリのほか、俳優賞、観客賞を受賞した。今年は7月5日から11日まで開催される。

正式出品決定に黒川幸則監督は、「これは迷子になった人たちのコメディです。道に迷って人と出会い、友達とはぐれて新しい友達と出会い、知らない町を行き当たりばったりに歩き回って、拾い集めたものを空っぽの箱に入れてるうちに、ふと自分がどこでもない場所に立ってるのに気付く。そんな感覚。早く家に帰りたい気持ちはあるけれど、でもまだ何かが起きる時を待っている。そんな旅の中間報告、絵葉書あるいは投瓶通信のような69分です。マルセイユにも漂着するでしょうか。ご笑覧下さい」と、コメントを寄せている。

【作品情報】
にわのすなば GARDEN SANDBOX
2022年 ポレポレ東中野にて公開

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