トヨタリザーブのニック・デ・フリース、“出場停止”ドライバーの代役で急遽LMP2に出場へ/ル・マン24時間

 WEC世界耐久選手権第3戦/第90回ル・マン24時間レースに参戦しているTDSレーシングは、プラクティス中に度重なるアクシデントを引き起こしたとしてスチュワードから出場停止処分を受けたフィリップ・シマドモに代わって、ニック・デ・フリースを起用すると発表した。

 TDSレーシング×バイヨン13号車オレカ07・ギブソンからLMP2プロ/アマクラスに参戦したシマドモは、木曜日のフリープラクティス3での激しいクラッシュを含む複数の事故を起こし、「自身と他の競技者の安全のため」レース出場資格がないとの裁定をスチュワードから下されていた。

 この決定により当初TDSの決勝への参戦が危ぶまれ、チームはブロンズにレーティングされる62歳のフランス人ドライバーの代役探しに奔走することとなった。

「昨日の激しいアクシデントの後、フィリップ・シマドモは来るレースには参加しないが、それでもル・マン24時間レースへの参戦を続けることには全関係者が合意した」とTDSレーシングはソーシャルメディアに投稿している。

「これによりニック・デ・フリースが、ティメン・バン・デル・ヘルムとマティアス・ベッシェと並んで、ドライバーのラインアップを完成させることになる」

 ハイパーカークラスのトヨタGAZOO Racingのリザーブドライバーとしてル・マンに来場していたデ・フリースは、かつてTDSが運営するレーシング・チーム・ネーデルランドのLMP2チームに所属していたことがあるため、チームとは面識がある。

 ABB FIAフォーミュラE世界チャンピオンであるデ・フリースは、昨年のル・マン24時間にはGドライブ・レーシングから参戦していた。

 デ・フリースは、FIAによるドライバー・カテゴライゼーションにおいては、プラチナにレーティングされている。プロ/アマへとエントリーするチームはブロンズドライバーを起用することが義務付けられているため、今回のラインアップ変更によりTDSの参加カテゴリーは『LMP2』へと移されることとなる。

 第90回ル・マン24時間レースは、6月11日の現地時間16時(日本時間23時)にスタートが切られる。

TDSレーシング×バイヨンの13号車オレカ07・ギブソン

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