防犯カメラに体当たりする男2人の姿 子ども支援の自販機が損壊 那覇・久茂地

 新型コロナウイルスの影響で売り上げの厳しい飲食店や、困窮した子どもの支援などを目的に設置された那覇市久茂地にある冷凍食品の自動販売機「極箱(きわみばこ)」が、何者かによって破壊されていたことが10日までに関係者への取材で分かった。自販機は現在も稼働中だが、修繕費に約40万円かかり、支援に影響が出る可能性もある。販売機の管理者は「コロナ禍で苦しむ飲食店や子どもたちのために設置した自販機が壊されるのは悲しい」とうなだれる。

 販売機を管理する那覇市久茂地の居酒屋「海鮮・焼肉ビアガーデン強者(ちゅーばー)」によると、4日午前3時~3時半ごろ、4人組の男らのうち2人が、1回ずつ販売機に体当たりする様子が防犯カメラに記録されていた。自販機正面の一部が数センチにわたってへこみ、内部のフレームが曲がるなどしたという。同店は5日、那覇署に被害届を提出した。

 自販機は那覇市内の飲食店など11店舗の関係者が、コロナ禍で苦しむ飲食店や、困窮世帯の子どもたちを支援しようと資金を出し合い4月27日に設置した。売り上げの一部は子どもの困窮に取り組む支援団体などに寄付する予定だ。

 同店の池原美智代店長は「経営が厳しい中、自販機は(関係者の)夢と希望だった」と話した。自販機の呼び掛け人で同店の渡嘉敷充代表は「名乗り出てくれれば、その後の対応も考慮したい」と呼び掛けた。【関連記事】
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