トヨタ8号車「やや不満の残るスタートになってしまった」「リヤタイヤを大事にしていく」/ル・マン24時間決勝序盤

 2022年ル・マン24時間レースは、11日16時のスタートから9時間が経過。トヨタGAZOO Racingの2台のGR010ハイブリッドが僅差の首位争いを繰り広げている。

 現地時間午前1時、9時間経過時点で首位に立っているのは8号車GR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)のハートレーで、25秒前後の差で7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)のロペスが続いてる。

 8号車はブエミでスタートし、ハートレー、平川、ブエミとつなぎ、再びハートレーへ。7号車はコンウェイでスタートし、ロペス、可夢偉、コンウェイ、ロペスとつないでいる。

 9時間経過直前のピット作業までは両車は接近していたが、1周先にピットを済ませてロペスへと交代した7号車はスローゾーンの影響を受け、ギャップが拡大している。

 それぞれ最初のスティントを終えた7号車のふたり、8号車のふたりのドライバーのコメントは、以下のとおり。

■マイク・コンウェイ(7号車)
「全体として僕のスティントは問題なかった。序盤は攻めようかとも思ったが、他の車両がタイヤ摩耗に苦しんでいるのがわかったので、とにかく3スティントを通して着実に、可能な限りタイヤを温存する走りを心がけた」

「スタートはうまくいったし、ミスのないように走った。良いペースを維持しながら後続を引き離そうとした。グリッケンハウスとは充分な差を築けたが、まだまだ序盤なののでプッシュを続ける」

■ホセ・マリア・ロペス(7号車)
「リードを失ってしまったのはちょっと残念だが、長いレースだし、いろいろなことが起こり得る。コース上のトラフィックをかわすのは大変で、特に2スティント目と3スティント目は良いリズムが掴めずに、ブレンドンに詰められてしまった」

「スローゾーンでも大きくタイムを失い、ピットストップ直後にコースオフしたことで彼にかわされてしまった。とはいえ、GR010ハイブリッドはとても好調だし、首位を争えていることにも満足している」

7号車GR010ハイブリッドでスタートドライバーを務めたマイク・コンウェイ

■セバスチャン・ブエミ(8号車)
「僕のスティントはちょっと苦しんだ。最初のスティントでタイヤを酷使しすぎてしまい、続くスティントも大変だった。バランスも完璧ではなかったが、レースが進んで、夜になって路面温度が下がれば我々も良くなると思う」

「やや不満の残るスタートになってしまったが、GR010ハイブリッドのポテンシャルは高いし、まだ先は長い。いまのところは全てが順調と言っていいと思う」

■ブレンドン・ハートレー(8号車)
「僕自身のスティントはクリーンに走れた。午前中のウォームアップ走行後、車両のバランスをわずかに修正し、セバスチャンの最初のスティントでリヤタイヤにダメージを負ったが、そこから学びを得られたし、今後の走行ではリヤタイヤを大事にする走りをしていくことになる」

「車両バランスはこれから夜になって涼しくなれば、改善していくと思う。我々のGR010ハイブリッドは速い。3度目のスティント序盤にホセをパスし、首位に立つことができたが、まだ2台の差は僅かだ」

8号車トヨタGR010ハイブリッドをドライブするセバスチャン・ブエミ

© 株式会社三栄